装飾・演出用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 18:11 UTC 版)
包装や飾り付け、またくす玉(割り玉)の中身に貼り付けたりする。これらの用途では様々な色や模様のものが用いられる。小型のものはクラッカーの中にも含まれる。 巻かれた状態の紙テープの端を持って勢いよく投げると、長く伸びたテープが宙を舞い、色鮮やかに見せることができる。(市販される紙テープは硬質の芯が入っているため、重りとなり遠くまで飛ばすことができる。)昭和期には、これを「紙テープ投げ」と称し、応援などの演出に盛んに用いられた。 昭和期の船の出港の見送りの際、デッキの乗客が岸壁の見送り客に向かって紙テープ投げを行い、惜別を表現することがあった。駅のホームでの見送りの際にも行われることがあったが、車両の床下機器や電化区間の駅にあっては架線にも絡みつくおそれがあるため、鉄道事業者の側から禁止されるようになった。 昭和期の歌手のコンサートやプロレスの試合の際にも紙テープ投げは盛んに行われ、観客はステージやリングに向かって紙テープ投げを行うことにより、応援の意を表現した。紙テープで埋め尽くされたステージはスター芸能人のアイコンでもあったが、芸能人は大量に飛来するテープの芯を巧みに回避しなければならなかった。1973年には、イベントに出席していた由紀さおりの額にテープの芯らしきものが当たり、5針縫うケガをした事例もあった。こうした事故を防ぐため、主催者からテープを投げる際には、あらかじめ芯を外すよう指示が出る場合もある。 プロレスにおいては各選手のイメージに合わせた紙テープを投げるのが一般的である。例として松本浩代の場合は出身地の神奈川県平塚市を走るJR東海道線の色にちなんだ湘南電車カラーが使われる。但し新日本プロレスなど一部団体の主催興行、板橋グリーンホールやレッスル武闘館など一部の会場及びバトルロイヤルやデスマッチなど一部特殊な試合形式では、紙テープの投げ入れを全面的に禁止しているケースもある。また2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生に伴う燃料供給事情悪化を考慮し、プロレスリングWAVEでも紙テープの投げ入れを一時的に規制した。2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大防止のためほとんどのプロレス団体で紙テープ投げ入れ禁止にしている。 ステージを埋め尽くし絡みついた紙テープは移動の妨げになる上、テープの撤去作業の手間に加えて大量のごみを生み出すため、平成期は紙テープ投げが忌避される傾向にある。 なお英語ではこの用途の紙テープを "paper tape" ではなく "paper streamer" と呼ぶ。
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