血の滝とは? わかりやすく解説

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ち‐の‐たき【血の滝】

読み方:ちのたき

鉄錆(てつさび)色の流れ南極テーラー氷河水流古代海水含み氷河岩盤間に存在する微生物分解した岩盤鉄分によって赤く見える。

[補説] この微生物は、食料源のない氷下400メートル硫黄鉄分化学反応生じさせてエネルギー獲得数百万年にわたり生存してきたとして、そのエネルギー生成方法注目集めた


血の滝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/08 03:19 UTC 版)

血の滝(ちのたき)とは、南極大陸東南極)のヴィクトリアランドに存在する、鉄分を豊富に含んだ塩水氷河の上を流れることで、その氷河の先端部に形成されている、瀑布である。この塩水に含まれる鉄分が大気中酸素によって酸化されると [注釈 1] 、赤い酸化第2鉄となって氷の表面に沈着するため、血の滝は赤く見える。


  1. ^ Fe2+からFe3+へと酸化される。
  2. ^ テイラー氷河(Taylor Glacier)とは、 南極大陸に存在する氷河の1つである。 全長は、約54km。 ヴィクトリアランドの台地からテイラー谷(Taylor Valley)の西端部へと流れている。 この氷河は、1901年から1904年まで行われた、イギリスによる南極探検によって発見された。
  3. ^ Bonney湖(Lake Bonney)とは、 南極大陸のヴィクトリアランドに存在する塩水湖である。 長さ約7km、幅約900m。ただし、狭い場所では50m程度の幅しかない、細長い形状の湖である。 なお、Bonney湖は、東Bonney湖と西Bonney湖とに分かれており、 東Bonney湖の面積は約3.32平方kmで西Bonney湖の面積は約0.99平方km。 これらの湖を人類で最初に訪れたのは イギリスの南極探検隊(1901年から1904年)だが、 これらの湖を「Bonney湖」と命名したのは、 ロバート・スコットの探検隊(1910年から1913年)である。
  4. ^ Geomicrobiologyとは、 地質学微生物学とを組み合わせた学問分野である。 Geomicrobiologyが研究しているのは、 地質学や地質化学(地球化学)が微生物の活動に与えている影響、 また、微生物の活動が地質やその化学組成などに与えている影響について。
  5. ^ その塩分濃度にかかわらず、溶存酸素がほとんど検出されない水というのは、 一般に、極めて水の出入りが限られた場所において見られる。 水の溶存酸素が激減した時、 微生物は、次に使いやすい電子受容体として硝酸塩を利用する。 ただし、硝酸塩はそれほど時間がかからず使い尽くされてしまう。 他の幾つかの比較的有用ではない電子の受容体までも減少してくると、 微生物は、硫酸塩を電子の受容体として消費し始める。 したがって、通常であれば、微生物が存在して、かつ、酸素がほとんど無い場合、 硫酸イオンは還元されて無くなってしまうはずだ。 しかしながら、この血の滝では、微生物が存在するのにもかかわらず、 硫酸イオンが依然存在している。この点が謎となっている。
  1. ^ 南極を流れる不気味な「血の滝」、謎を解明” (日本語). natgeo.nikkeibp.co.jp. 2020年3月7日閲覧。
  2. ^ Horita, Juske (2009). "Isotopic evolution of saline lakes in the low-latitude and polar regions". Aquatic Geochemistry 15 (1): 43~69. doi:10.1007/s10498-008-9050-3
  3. ^ Mikucki, Jill A.; Ann Pearson, David T. Johnston, Alexandra V. Turchyn, James Farquhar, Daniel P. Schrag, Ariel D. Anbar, John C. Priscu, Peter A. Lee (2009). "A contemporary microbially maintained subglacial ferrous "ocean". Science 324 (5925): 397~400. doi:10.1126/science.1167350. PMID 19372431
  4. ^ a b Grom, Jackie (2009-04-16). "Ancient ecosystem discovered beneath antarctic glacier". ScienceNOW Daily News. http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2009/416/2.


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