宇宙生物学と血の滝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 10:27 UTC 版)
血の滝を流れる塩水の供給源となっている氷河の下の池は、南極の氷帽の深くまで調査のためのボーリングをすることなしに、深部(地表から遠い深い場所)に住む極限環境微生物の研究をすることができるかもしれない場所だと期待されている。 地球上に存在するヒトなどの生存には厳しい環境を研究することは、生物が生存できる環境条件の範囲を知るために有用であるし、また、太陽系の内外で生物が存在できる場所の候補を絞るのにも有効である。なお、血の滝での研究は、気温が低く水の氷に閉ざされている場所での生物の生存条件の研究につながるので、太陽系内においてであれば、例えば火星やエウロパ、その他の氷に覆われた外惑星の衛星といった、比較的寒い場所で生物が存在できる場所の候補を絞るのに有効と考えられる。 この血の滝の塩水の供給源ような、氷に閉ざされた液体の水が存在する環境というのは、生物が紫外線や宇宙線から身を守ることに関して、上にある氷の層が紫外線や宇宙線を遮蔽してくれる分、地表よりも有利である。したがって、地球外のこのような場所にも生物がいる可能性が高いのではないかと考えられている。
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