薬物関連のこの用語の定義と歴史とは? わかりやすく解説

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薬物関連のこの用語の定義と歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 00:01 UTC 版)

嗜癖」の記事における「薬物関連のこの用語の定義と歴史」の解説

トランキライザーなどの乱用問題となった1950年代には、世界保健機関のAddiction-Producing Drugsに関する専門委員会が、以下のように定義した。 Addiction-producing:非常に強い渇望があり、用量増える傾向にあり、精神依存身体依存とがある。 Habit-formaing:用量増えない微増であり、身体依存欠如しており、禁断症状がない。 当時日本では、このAddiction-Producing Drugsが、耽溺薬物などと翻訳されている。薬物嗜癖drug addiction)、薬物習慣性drug habituation)としている重要語事典もある。日本では睡眠薬乱用問題となったため、1961年習慣性医薬品指定し処方箋を必要とする措置をとった。 1960年代嗜癖Addiction)と習慣Habit)の2つの用語は破棄され依存Dependence)の用語に変わった世界保健機関専門委員会は、薬物依存に関する専門委員会(WHO Expert Committee on Drug Dependence)と変名される。 1975年時点で、日本医薬品には「習慣性あり」の表示残されているが、アメリカではそうした表示過去のことであり、ここ10年国内外習慣性という語は見られなくなったとしている。また、依存の語は広く普及し嗜癖の語はいまだ散見されるとしている。 アメリカ精神医学会APA)による『精神障害の診断と統計マニュアル第4版』(DSM-IV)では、身体依存使用増加診断基準薬物依存症Drug Dependence)の診断基準含まれる。 しかし2011年の『グッドマン・ギルマン薬理書』第12においては1987年アメリカ精神医学会が、使用制御できない状態に対し依存dependence)の語を使ったが、依存とは本来は離脱症状呈する状態であり混乱生じたとしている。当時嗜癖addiction)の語が軽蔑であったので避けるべきであったが、次のDSM-5ではこの混乱正されるであろう記している。 DSM-5では、物質関連障害および嗜癖障害群(Substance Related and Addictive Disorders)の分類名が登場したDSM-5においては薬物乱用薬物依存症統合したが、DSM-IV編集委員長であるアレン・フランセスはこれを批判しており、嗜癖(addicion)の語による常用のようなレッテルは、より単発的乱用によって問題生じた人々にとっては不利益被りかねないスティグマ烙印)であり、臨床において乱用依存区別は対応の上有益であるとして、これを区別している世界保健機関によるICD診断コード用いるべきだとしている。 アメリカにおける薬物関連障害報告などでは、薬物依存薬物乱用両方含める形で、薬物嗜癖Drug Addiction)の用語を使用する定義している。 どのような意図用いられているか文脈によって判断することが必要である。 国際条約である1961年麻薬に関する単一条約邦訳文で、addctionを中毒訳している。日本の麻及び向精神薬取締法でも依存生じた状態を中毒としているが、この日本の法律上の訳は「医学的な中毒の意味異なり」、医学的に薬物中毒とは、過剰摂取などによって有害作用生じている状態である。1975年時点で、柳田知司は依存症の意味での中毒の語は破棄して依存症語の使用提案している。

※この「薬物関連のこの用語の定義と歴史」の解説は、「嗜癖」の解説の一部です。
「薬物関連のこの用語の定義と歴史」を含む「嗜癖」の記事については、「嗜癖」の概要を参照ください。

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