葉のメカニズムと捕獲機序
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 04:11 UTC 版)
「モウセンゴケ属」の記事における「葉のメカニズムと捕獲機序」の解説
成熟した葉に密生する腺毛の先端はややふくらみ、その細胞の隙間から粘液と消化酵素を分泌する。表面はクチクラ層で覆われており、消化酵素による自己消化を防いでいる。 腺毛や葉を湾曲させ、獲物を包み込む傾性運動は、腺毛の先端の細胞群の刺激により生じた電位差の伝播により、柄の細胞群に膨圧の勾配が作られる一方、植物ホルモンであるオーキシンの成長制御作用による細胞の急速な伸張により起きる。腺毛の湾曲は10分-15分、やや遅れて葉身の湾曲は15-20分で終了し、獲物を抱え込む。以後、分泌細胞群が強い酸性の分泌液と、酸性条件下で強い活性を持つパーオキシダーゼ、エステラーゼ、酸性フォスファターゼ、プロテアーゼ等の消化酵素を分泌し、獲物の分解が起きる。 分解されて液状となった消化物は腺毛より吸収され、窒素源やリン酸源として利用される。ダーウィンは本属(モウセンゴケ)の研究を行っている。その中で、例えば、葉の上に各種の物質を滴下して腺毛と葉の運動性を観察した結果、タンパク質やアミノ酸に対して強い反応が見られることを確認している。 D. anglicaイトトンボを捕らえたナガバノモウセンゴケ(北アメリカ大陸、ヨーロッパ、アジアに分布) D. capensis虫を捕らえたアフリカナガバノモウセンゴケ ダーウィン著作の文献内に描かれたモウセンゴケの図
※この「葉のメカニズムと捕獲機序」の解説は、「モウセンゴケ属」の解説の一部です。
「葉のメカニズムと捕獲機序」を含む「モウセンゴケ属」の記事については、「モウセンゴケ属」の概要を参照ください。
- 葉のメカニズムと捕獲機序のページへのリンク