落選造反議員の参議院選挙出馬を巡る復党
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「郵政造反組復党問題」の記事における「落選造反議員の参議院選挙出馬を巡る復党」の解説
落選した造反組に関しては、「所信表明を支持する投票行動をしていない」ことなどを理由に当面見送られることになったが、2007年2月、大分1区の自民党議員だった衛藤晟一が7月の第21回参議院議員通常選挙へ比例区からの立候補を要望し、衛藤の政策距離が近い安倍首相は復党させる意向を示しており、中川秀直幹事長も当初は難色を示したが「安倍首相と同じ考え方や方向性を持つ人、現在どのような立場の方でも結集してもらわなければならない」として最終的に復党を容認した。これにより落選した他の造反組も復党される見込みが報じられている。 3月9日、自民党党紀委員会は衛藤晟一の復党を賛成10票、反対7票という異例の多数決で認めた。党紀委員会では郵政民営化に反対して落選した前衆院議員は他にもおり、衛藤前議員のみに復党を認めるのは一貫性にかけるという意見、前回の復党で内閣支持率が低下したことなどから反対意見が出た。 だが、この復党については、比例区選挙において大分で衛藤を支持していた層を取り込もうと考えている公明党から反発の声があがった。そのため、衛藤は大分の事務所の閉鎖と後援会の活動を停止を要求させられ、事務所を東京に移すことになった。 また、岐阜4区の自民党議員だった藤井孝男が参議院の岐阜県選挙区へ鞍替えを表明。現職議員以外の復党は参院選終了後まで認めないという党の方針が決定され、結局藤井は無所属で自民党の推薦を受けて出馬することとなった。同じく参院選に立候補する衛藤晟一の復党が認められているため、藤井への処遇との整合性に党内から批判が出た。2人区の岐阜県選挙区で当初2007年改選自民議員に大野つや子がいたため、自民党岐阜県連は大野を公認候補とし藤井を推薦候補としようとしたが、同士討ちが予想されたため大野が反発。大野が2007年改選で引退を表明したため、岐阜県選挙区では与党は藤井で一本化された。 2007年の参院選で自民が大惨敗した中、衛藤晟一と藤井孝男は当選を果たした。9月7日、藤井は復党した。しかし、この「年金問題」「政治とカネ」が主要因となった支持率低下は「復党問題から始まった」ともいえる。 第168回国会にて民主党が郵政民営化凍結法案を提出すると、衛藤晟一は参議院本会議で反対票を投じることなく、採決を棄権した。またも衛藤が党の方針に従わなかったため、自民党参議院議員会長の尾辻秀久は衛藤を厳重注意処分とした。
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