草創期の土器の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 05:08 UTC 版)
草創期:約16,000年前〜(ただし、縄文文化的な型式の変遷が定着するのは草創期後半から) 日本列島最初の土器は次の4段階をたどると考えられている。 また、大量に見つかりだし、器種も分化し、地方の特色も現れだす隆起線文土器を中心にして、その前の時期と、後ろの時期の3期に分ける考え方もある。 第1段階(16500calBP)は無文土器を特徴とする。 現在までに知られている日本列島最古の土器は青森県大平山元I遺跡や茨城県後野遺跡(うしろの)・神奈川県寺尾遺跡などから出土した文様のない無文土器であり、大平山元I遺跡から発見された土器の年代測定の算定は16,500年前(暦年較正年代法による)とされている。 第2段階(15800calBP)は豆粒文土器と隆起線文土器群である。 この隆起線文土器は、分布は種子島から北海道の日本一帯に広まり、地域による土器の分化も起こる。また、煮炊き用の先の尖った土器が出現し、土器の大きさや器種の分化も見られるようになる。特に、土器が大量に見つかるのは南九州・西九州である。 この次に、隆起線文土器以降とひとくくりにもされる、第3段階、第4段階の円孔文土器 ・爪形文土器 ・押圧縄文土器が起こるが、隆起線文土器を引き継いで発展したとみられている。 第3段階(14400calBP)は爪形文土器群であり、 第4段階(13300calBP)は多縄文土器群である。 これらの土器は、東北地方を中心にしていた。 出土例 愛媛県久万高原町美川の上黒岩岩陰遺跡の最下層の第9層から細隆起線文土器、第6層から薄手の無文土器、第4層から押型文土器と厚手の無文土器が出土している。その中でも、最下層の第9層の細隆起線文土器は約1万2000年前のもので、日本最古級の土器の一つである。
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