自己出版と独立系出版社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 10:17 UTC 版)
「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の記事における「自己出版と独立系出版社」の解説
1973年に始まったダイレクト・マーケット取次は、それまでのニューススタンド(英語版)に代わってコミック専門店を流通の中心に押し上げ、少部数の実験的な作品が受け入れられる素地を作った。1970年代の後半になると、作者が自ら出版社を起こして自作を刊行する例が現れ始めた。デイヴ・シム(英語版)の『セレバス(英語版)』、ピニ夫妻(英語版)の『エルフクエスト(英語版)』がその代表である。ケヴィン・イーストマン(英語版)とピーター・レアド(英語版)が1984年に自己出版した『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』は大ヒット作となった。 ほかにも作家の著作権保有を認める新興出版社やインプリントは増えていった。パシフィック(英語版)が1981年に発刊したジャック・カービー作品 Captain Victory and the Galactic Rangers を嚆矢として、コミコ(英語版)、エクリプス(英語版)、ファースト、ダークホースなどの独立系出版社がスーパーヒーロージャンルのクリエイター・オウンド作品を刊行した。それらの出版社の多くは短命に終わったが、ダークホース社は1986年の創立から現在までクリエイター・オウンド作品の刊行を続けており、マーケットシェアでも大手に次ぐ地位を占めている。1975年に創立されたオルタナティヴ系のファンタグラフィックスや、ピニやシムの自己出版を源流とする独立系のアップル(英語版)やレネゲイド(英語版)などもクリエイター・オウンド作品を専門に刊行を行った。 著作者がシリーズの権利を所有するようになったことで、複数の出版社から刊行される作品も生まれた。例として『兎用心棒』は30年以上にわたる歴史の中で四社からコミックブックシリーズが刊行されている(ファンタグラフィックス、ミラージュ(英語版)、ダークホース、IDW)。
※この「自己出版と独立系出版社」の解説は、「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の解説の一部です。
「自己出版と独立系出版社」を含む「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の記事については、「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の概要を参照ください。
- 自己出版と独立系出版社のページへのリンク