自動車等のマフラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 02:47 UTC 版)
「マフラー (原動機)」の記事における「自動車等のマフラー」の解説
公道を走行する自動車(四輪車、オートバイ等)の騒音については、多くの国において法令により制限が設けられている。公道を走行しない自動車競技やオートバイ競技についても、フォーミュラ1のような一部のカテゴリを除き、公式な競技では競技規則(レギュレーション)よって車両の騒音レベルに上限が設けられている。非公式な競技や個人的にサーキットを走行する場合でも、サーキットの利用規則によって制限されている場合もある。したがって、ほとんどの自動車やオートバイにおいて、マフラーを装備することは不可欠となっている。かつては単純な構造であったが、現在では、より確実で耐久性のある音量低減効果を持たせた結果、エキゾーストマニホールドやセンターパイプよりも太く大きなサイレンサー部分を持つものが主流である。 四輪自動車はオートバイに比べると車体が大きく、重量面でも制約が少ない。またエンジンやマフラーが車体に覆われているので、マフラーの材質や形状が車両の外観におよぼす影響が小さく設計の自由度が高い。自動車においては、1つのマフラーだけでは消音性能が不十分な場合、段階的に複数のマフラーが取り付けられる場合があり、メインマフラー(メインサイレンサー)、サブマフラー(サブサイレンサー)、プリマフラーのように呼び分けられる。プリマフラーは、メインマフラーとサブマフラーだけでは消音効果が不足する場合に排気管の途中に膨らませた構造を設けたものである。車体に覆われたメインマフラーの出口から車体の外部へ排気ガスを導くパイプは、外観意匠に影響する部品であるため、材質や表面処理、パイプの本数や寸法、角度などが車両外観の一部としてデザインされたり、目立たないようにデザインされる場合もある。あるいは開口部をリヤバンパーの一部として設計される場合もある。外観や性能に対する要求に応じてバンパーからはみ出す寸法が大きくなる場合もあるが、日本では2009年以降、バンパーからのはみ出し寸法や管材端末部の処理などについての保安基準が設けられている。 オートバイは自動車よりも車体が小さく、マフラーは大きさに制限がある。また、マフラーが露出している場合が多く、車体外観に影響するため材質や形状、場合によっては色も含めて、車両の外観意匠の一部として設計されている場合がある。
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