脚本・演技・演出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 17:46 UTC 版)
「おくさまは18歳」の記事における「脚本・演技・演出」の解説
佐々木の用意した脚本は型破りなもので、ト書きまでが砕けた会話調で書かれたポップな乗りで、スタッフや出演者のイメージを喚起し、演出プランやアドリブ演技が次々と生み出されていった。 石立は、本作を単なるドタバタ劇に終わらせまいと、台詞のやり取りで面白さを表現するファルス(笑劇)の効果を狙った演出プランを提案し、台詞のメリハリとリズム感を強調して対話のスピードを通常よりも大幅にテンポアップした。それを受けて、佐々木たちは30分ドラマに1時間ドラマに相当する分量の台詞を盛り込んだ。最初は気後れしていた岡崎も天性の感性の良さを発揮して、すぐに石立の演技に喰らいついてゆき(ルシル・ボールの演技を参考にしたと発言している)、絶妙な夫婦コンビを作り上げていった(後年、石立は岡崎の演技について「2週間で僕の芝居を覚えてしまった。僕がこれまでに会った女優さんの中で一番感性のいい人だった。」と回想している)。 メイン監督の湯浅憲明は「三段落ちショット」とも呼ばれる、シーンの変わり目に女性スキャットをバックに小道具の花や人形などの約1秒間のアイキャッチを3ショット連続で挿入し、場面の状況を明示してテンポ良くストーリーを展開する演出法を作り上げた。そのほか、湯浅の「コメディは三拍子が面白い」という持論から生まれた、うつみみどり(現・うつみ宮土理)演ずる花咲ユメ子が発する「くやしいわ、くやしいわ、なんだかとってもくやしいわ(様々なバリエーションあり)」という台詞も評判を呼び、流行語となった。 ドラマの後半では、佐々木が本作とかけもちで手掛けていたドラマ「お荷物小荷物」(1970年 朝日放送)で使用された、ドラマの中で出演者が唐突に視聴者に語りかける「脱ドラマ演出」も試みられている。この演出法は次回作の「なんたって18歳!」でも取り入れられた。 なお、本作のシチュエーション・コメディとしての「主人公にまつわる秘密を巡り、騒動が巻き起こる」という“黄金の設定”による構成に米国ドラマ『奥さまは魔女』からの影響を指摘する向きもある(『動画王 vol.02 スーパー魔女っ子大戦』「特撮魔法少女列伝」二神啓通 )。
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