背景と弊害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 06:56 UTC 版)
韓国は極端な学歴社会であり、李氏朝鮮は科挙の合格者である知識人が政治権力をも握る高級官僚となり、立身出世への関門であったため、その伝統が今日にまで影響していると考えられる。 受験生は年少の頃から自由時間を犠牲にし深夜まで営業する塾に通うほど過酷な受験戦争を戦う不健康な生活を送るため、受験生の負担軽減が課題となっている。一例を挙げると、予備校や家庭教師による補習が可能な都市部の学生がより有利であるとして、地域格差解消のために教育専門の全国放送局、EBSが修学能力試験に関する講座を放送する専門チャンネル(EBSプラス1)を開設している。 また、受験戦争を勝ち抜くため韓国の保護者は子供にOECD加盟国の中でトップとも言われる多大な私教育費(塾などの個人負担教育費)をかけている。そのため子供にかかる教育費を賄えない家庭や子供を持つことが出来ない夫婦が増えていて韓国の出生率を世界最低水準(2018年度で0.98人、2019年度は0.9を下回る月がある。)に落ち込ませる要因の一つとして問題視されている。 それでも、1回の試験に人生を左右される構造には変化がない。2004年に修学能力試験における大規模な携帯電話を使ったカンニングが発覚し社会問題となった際には、改めてその弊害が指摘された。 さらに、高学歴層の就職率が必ずしも高いわけではないこと、海外留学が盛んになっていること、また各種の競争緩和政策が効果を発揮しだしていることに伴い、就職できない学生・院生が続出し「学歴難民」として社会問題化しつつある。
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