職業人生の短さと対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 16:11 UTC 版)
一般に、プロのスポーツ競技者の職業人生は、他の一般的な職業と比較して非常に短期間とされる。例えば、日本のプロ野球選手の場合、平均選手寿命は(わずか)約9年であり「平均引退年齢」は約29歳である。また、Jリーガー(J1、J2、J3の選手)では、2013年2月の時点で1142人いるが、毎年100人以上が新規契約され、ほぼ同数が契約解除されており、統計的にはJリーガーの50〜60%程度が入団3年以内に引退している。Jリーガーに対してアンケート調査を行ったところ、90%が「引退後の人生に不安を感じている」と回答した。 武井壮はプロスポーツを志した時点で、それぞれのスポーツの収入や待遇、その後の生活の選択肢などを考慮すべきであり、「そんな事も知らずにスポーツに中高大の10年を費やす無計画はダメ」と警鐘を鳴らしている。 スポーツ社会学では、アスリートはリスクの高い職業であるとされている。井上雅雄は「プロスポーツ選手の専門スキルは職業特殊的なものであり、セカンドキャリアを準備するための職業訓練の緊要性は一層高い」と指摘し、一部のチームで行われているセカンドキャリアの準備の試みを高く評価した。また「身体と精神と感情とを自己制御し、刻々と変化する状況をとられて瞬時に反応し行動するという能力は、スポーツ選手のいわばもう一つのスキルとも言える」「これは実はいかなる仕事にも適用しうるものとしてすぐれて汎用的である」と主張する。しかし、アスリートの社会人基礎力の欠如や知的基礎能力の低さが指摘されることも多く、元アスリートの産業界での需要は少ない。
※この「職業人生の短さと対策」の解説は、「アスリート」の解説の一部です。
「職業人生の短さと対策」を含む「アスリート」の記事については、「アスリート」の概要を参照ください。
- 職業人生の短さと対策のページへのリンク