精麦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:37 UTC 版)
麦を精白したものを精麦という。麦粒は米に比べて煮えにくいので、先に丸麦を煮ておき、水分を捨てて粘り気を取り、米と混ぜて一緒に炊いた。これを「えまし麦」といい、湯取り法の一種である。また麦をあらかじめ煮る手間を省くため、唐臼や石臼で挽き割って粒を小さくした麦は、米と混ぜて炊くことができた。これを挽割麦という。これは主に農家の自家消費用であったが、明治十年頃からは一般にも販売されるようになった。 現在多く流通しているのはいわゆる「押し麦」であるが、これは麦を砕く代わりにローラーで平たく押しつぶし、煮えやすくしたものである。1902年(明治35年)に押し麦が発明されたが、当初は麦を石臼にかけ、手押しのローラーで押して天日で干す手作業で製造していた。1913年(大正2年)、発明家の鈴木忠治郎が麦の精殻・圧延機を開発し、精麦過程が機械化された。更に鈴木は精麦機械の改良に取り組み、この「鈴木式」精麦機を備えた工場が各地に設立されて、精麦の大量生産体制が整った。 昨今ではさまざまな精麦が開発されている。 丸麦 大麦の外皮を取り除き、精白した状態そのままのもの。 押麦 精白した大麦(精白粒)を蒸気によって柔らかくし加熱圧扁したもの。粒の真ん中に黒条が残る。麦とろに良く用いられる。 切断麦 黒条(中央の線)に沿って半分に切断したもの。切断後に加圧の加工を行わない無圧扁切断麦(米粒麦)と加熱圧扁した白麦がある。
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精麦と同じ種類の言葉
品詞の分類
名詞およびサ変動詞(料理) | 精米 精白 精麦 腸抜き 膳拵え |
名詞およびサ変動詞(食物) | 深耕 醗酵 精麦 日保ち 乾干 |
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