精麻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/29 06:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動精麻(せいま)とは、大麻の茎から取れた皮から表皮を取り除き、靱皮部分を取り出したもの。 独特の光沢を持つ強靭な繊維で、麻といえば、かつてはこの精麻を指した。
目次
用途
衣服、釣り糸や漁網、太鼓や鼓の皮を止める縄、凧糸、下駄の芯縄など幅広く用いられた。 特に衣服は「綿が日本で本格的に栽培され始める以前、庶民は麻をまとっていた」[1]と書かれるほど、広く普及していた。
尚、精麻に空気や水、他の物質を浄化する作用はない。
神道における役割
現在、精麻の多くは神道儀式の場で使われ、繊維の輝きがあるほど、祓い清めの力が強いと考えられている。 神職が振る、払い串に巻きつけられるほか、全国の神社を通して毎年800万体以上配られるお札「神宮大麻」に用いられる。 また、神道儀式である大相撲の横綱の綱も精麻で作られている。
加工方法
大麻は日本各地で栽培され、地域ごとに様々な方法で精麻に加工されていた。 現在も精麻の生産を行なっている栃木県では、茎の収穫後、直ちに熱湯で1~2分ほど茹で、 天日で数日間乾燥させたのち「オドコ」と呼ばれる発酵場で寝かせ、茎と表皮に分離させる。 その後、直ちに「アサヒキ」という表皮滓を削り取る加工を行い、純粋な靱皮を取り出す。
脚注
- ^ 柳田国男「木綿以前の事」
精麻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 09:39 UTC 版)
「精麻」も参照 長野・野沢温泉の麻釜全景。この地では古くは、麻を熱い源泉にひたし、その後、皮をむいた。 麻の茎の繊維 刈り取られた麻は、その午後には麻釜に2-3分浸し湯かけをする。それから屋内で3-4日干して乾燥される。 皮をはぎ繊維と芯を分けるが、芯は麻幹(おがら)となる。麻の繊維を皮ひき機でひく。精麻となるが、新聞の文字が透けて見えるくらいの薄さのものが上質である。精麻をさらに細く裂いて紡ぐと麻の糸となる。
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