第3章:オッフェルトリウム(奉献唱)
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「戦争レクイエム」の記事における「第3章:オッフェルトリウム(奉献唱)」の解説
英語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。オーウェン「老人と若者の寓話(The Parable of the Old man and the Young)」 創世記の「アブラハムとイサク」の逸話に因んでおり、オーウェンの詩は典礼文に対する辛辣なアイロニーとなっている。オルガンを伴う児童合唱による導入部に続き、主部では合唱が「主がその昔アブラハムとその子孫とに約束したもうた・・・・・・」を、伝統的な作法どおりフーガにより歌う。引き続きテノール独唱とバリトン独唱により、オーウェンの詩「老人と若者の寓話(The Parable of the Old man and the Young)」が歌われる。我が子を殺して生贄にするよう神に命じられたアブラハムは、イサクを縛りつけ殺そうとするが(ここで「ラッパの動機」が奏でられる。)、アブラハムの強い信仰を見届けた神は天使を遣わして殺害をやめさせようとする。ここまでは創世記と同じであるが、オーウェンの詩では天使の勧告にもかかわらず、アブラハムはイサクを殺してしまう。テノール独唱とバリトン独唱が「いうならば、ヨーロッパの子孫の半ばを、ひとりずつ(殺したのである)・・・・・・」のフレーズを、休止を挟みながら繰り返す背後では、児童合唱が静かに「主よ、称賛の生贄と祈りを捧げ奉る」と歌うが、この部分の児童合唱は独唱よりも遅いテンポで演奏され、まるで違った次元から響くように聞こえる。その後、フーガの再現となるが、終始 pp 以下のデュナーミクで演奏され、最後は消えるように終わる。 なお、天使がアブラハムを止めようとする場面の音楽は、自作の『カンティクル第2番「アブラハムとイサク」(英語版)』作品51(1952年)の冒頭部を引用している。
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