第1楽章 Andante - Allegro ma non troppo
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 02:12 UTC 版)
「交響曲第8番 (シューベルト)」の記事における「第1楽章 Andante - Allegro ma non troppo」の解説
ハ長調、2/2拍子、序奏付きソナタ形式(提示部リピート付き)。 ホルン2本のユニゾンでおおらかに始まる。この開始部分はシューマンの交響曲第1番『春』やメンデルスゾーンの交響曲第2番、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のモデルとなっている。この序奏部分が楽章全体を構成する主要なモチーフを提示している点に大きな特徴がある。第1主題は音の大きく動く付点のリズムと3連符に特徴がある。第2主題が5度上の属調であるト長調ではなく、3度上のホ短調で書かれているのも大きな特徴(再現部では同主調のハ短調で1度、平行調のイ短調でもう一度奏されており、ソナタ形式としての整合性が取られている)。変イ短調に始まるトロンボーンの旋律が第3主題とされることもあるが、動機としては序奏の旋律の断片である。リズミカルなモチーフを主体として主題が構成されている点には、尊敬してやまなかったベートーヴェンの特に交響曲第7番と多くの共通点を持つ一方で、大胆な転調や和声進行にはシューベルトらしさが満ちあふれている。第662小節から最終685小節にかけて、序奏の主題が、音価を2倍に引き伸ばされた形で(結果として序奏と同じテンポに聞こえる)2度力強く再現され、楽章を終える。なお、この手法をシューベルトは交響曲第1番第1楽章ですでに用いている。 なお、初版においては拍子が4/4拍子に改竄されていた。現在では、本来の自筆譜通り(2/2)に戻されている。
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