第1幕 パレルモの中央広場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 14:48 UTC 版)
「シチリアの晩鐘 (ヴェルディ)」の記事における「第1幕 パレルモの中央広場」の解説
フランス統治下のシチリア、ティボーやロベールなどフランス兵達が、酒を飲んで大騒ぎしている(合唱「美しきフランスの国」)。一方、占領されたシチリア人の怒りや不平を表す合唱が、それに対比されて二重合唱となる。フランス軍対島民の対立が描かれるなかで、ロベールが征服されたシチリア人の分け前にあずかるのを心待ちにする短いエピードが挿入される。そこへ喪服を纏ったエレーヌ公女がニネッタとダニエリを伴って、教会へ礼拝するために広場に通りかかると、事情を知っているベテューヌ卿はヴォードモン伯爵にエレーヌ公女こそホーエンシュタウフェン家の殺された前シチリア王フレデリックの妹であり、今はモンフォールの人質の身であると説明する。酔ったフランス兵が、無礼にもエレーヌ公女に歌を歌えと難癖をつける。公女は対立を回避するため、賢明にも求めに応じて歌い始める。三つの短いエピソードからなるアリア「勇気を出して」となり、これが島民を鼓舞してしまい、緊張が高まりフランス兵への復讐に駆り立てられ、一触即発の状況になる。そこへ鬼と恐れられている総督のモンフォールが姿をみせると、人々は抑制され霧散してしまう。公女たち3人とモンフォールだけになり、概ね無伴奏の四重唱「何という恐怖に囲まれてしまったのか」となる。彼女たちは嘆かわしい運命を呪い、モンフォールは不心得な兵士達を嘆く、四重唱が繰り広げられ、お互いの立場の違い歌う。するとシチリアの青年アンリが登場する。彼は反逆罪の疑いで逮捕されていたのだが、公正な裁判の結果釈放になったと、旧友である公女に伝える。モンフォールはアンリと二人だけになると、アンリの身の上について質問したうえで、アンリに総督の部下になるように勧める。アンリがそれを拒否すると、怒った総督は今後エレーヌ公女の館には、出入り禁止でると命じる。予てより密かにエレーヌを愛しているアンリは敵であるモンフォールには与しようとはせず、毅然としてエレーヌ公女の住む館へと向かうのだった。
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