第1幕 「森の中の洞窟」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 01:27 UTC 版)
「ジークフリート (楽劇)」の記事における「第1幕 「森の中の洞窟」」の解説
舞台は森。 序奏 ミーメの「思案の動機」、「財宝の動機」、「ニーベルング族の動機」、「苦痛の動機」各ライトモティーフが多層的に示される。「指環の動機」に「剣の動機」が加わるが、ともに変形されており、「指環」を手に入れるため、ミーメがノートゥングを鍛え直そうとしている様子が表される。短い序奏のあと幕があがる。 第1場 ミーメは砕かれたノートゥングを鍛え直そうとするが、どうしてもうまくいかない。そこへジークフリートが森から帰ってきて、ミーメに熊をけしかける。慌てふためくミーメを見て嘲笑するジークフリートに、ミーメは「養育の歌」を歌い、ジークフリートを育てた自分にこのような仕打ちは恩知らずだと愚痴をこぼす。 ジークフリートは、水に映った自分の姿がミーメに似ていないことに気づき、自分の両親についてミーメをつかまえて強引に問いつめる。ミーメは、母親のジークリンデが難産のために死んだこと、父親のことは知らないが、形見の剣の破片があると答える。ジークフリートはすぐにその剣を元通り鍛え直すようにミーメに命じ、再び森に入っていく。 第2場 困り果てたミーメのところへ、「さすらい人」と名乗る紺色のマントを着た旅人が訪ねてくる。さすらい人はミーメに、首をかけて知恵比べをしようと言い出す。早く厄介払いしたいミーメはこれを受ける。ミーメが出した3つの問いに、さすらい人はすべて答える。このやりとりのなかで、ミーメはさすらい人の正体がヴォータンであることに気づく。今度はさすらい人が3つの問いを出す。2つまで答えたミーメだったが、3つ目の問い、「ノートゥングを鍛え直せるのは誰か」に答えられず、うろたえ騒ぐ。さすらい人は「剣を鍛え直せるのは怖れを知らぬ者だ」と予言し、ミーメの首はその者に預けるといって立ち去る。 第3場 戻ってきたジークフリートに、ミーメは「怖れ」を教えようとするが、ジークフリートは一向に理解しない。ミーメはジークフリートに、ファーフナーの洞窟に行けば恐怖を知るだろうという。ジークフリートは、ミーメがいつまで経っても剣を鍛え直せないのに業を煮やし、自分で鍛冶に取りかかる。ジークフリートの「鍛冶の歌」。その間にミーメはジークフリートを殺すために毒汁を煮る。ついにノートゥングは鍛え直され、ジークフリートが剣を振り下ろすと鉄床がまっぷたつに割れる。
※この「第1幕 「森の中の洞窟」」の解説は、「ジークフリート (楽劇)」の解説の一部です。
「第1幕 「森の中の洞窟」」を含む「ジークフリート (楽劇)」の記事については、「ジークフリート (楽劇)」の概要を参照ください。
- 第1幕 「森の中の洞窟」のページへのリンク