第12歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 15:00 UTC 版)
オデュッセウスの航海と冒険の話の続き。キルケーの館より出て、仲間たちと船を進ませる途中、セイレーネス(セイレーンたち)という人の顔を持ち鳥の身体を持つ怪物がいる島の傍らを船は通過する。セイレーンたちの歌を聴いた者は、すべての記憶を失い、怪物セイレーンに近づきその餌食とされる。しかし、オデュッセウスは、その歌が聞きたく、仲間たちの耳は蜜蝋で塞ぎ、自分は帆柱に縛り付けもらい、身動きできないようにして、無事通過する。オデュッセウスは、セイレーンの島に進むのだと叫ぶが、仲間たちは歌もその言葉も聞こえないので、そのまま無視して進んだ。 次に、怪物スキュラのいる岩の横を通過する。スキュラは、六本の頭で仲間たち六人をくわえて捉えむさぼり食うが、オデュッセウスを初め、他の仲間は何とか無事にスキュラの岩の傍らを通過できた。 それから、さらにヘーリオスの家畜がいる、トリーナキエー島に一行は上陸する。オデュッセウスは、あらかじめに警告を受けていたので上陸を止めたが、仲間たちが上陸すると云って聞かず、やむをえず上陸する。すると、やはり凶事は起こり、部下がヘーリオスの家畜をみだりに殺し食用にしたため、家畜を世話していたヘーリオスの娘ラムペティエーはそのことを父に知らせた。ヘーリオスは、怒ってゼウスに訴えたので、ゼウスは船に雷を落とした。彼らの船は再びスキュラの岩とカリュブディスの近くに流され、今度は、大渦巻きですべてを飲み込むカリュブディスの岩の下の海に吹き寄せられた。船は仲間を含めて渦巻きに飲み込まれたが、オデュッセウスだけは助かり、カリュプソーの島に流れ着いた。
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