第六十六国立銀行時代
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「第六十六銀行」の記事における「第六十六国立銀行時代」の解説
1878年(明治11年)11月29日、不換紙幣(国立銀行発行券)を発行する銀行として資本金100,000円をもって設立された第六十六国立銀行は、翌1879年4月20日に広島県御調郡尾道町(現在の尾道市)久保町に本店をおき開業した。この時点で資本金を180,000円に増額し、広島のほか、当時の商業の中心であった福山に出張所をおいた。 初代頭取になったのは、江戸時代からこの地で金穀貸付業を営んでいた豪商の橋本吉兵衛であり、橋本家を中心に尾道の有力商人や備後南部の大地主を主な株主とし、福山の有力商人である藤井与一右衛門も設立発起人に加わっていた。当行はその後資本金を増額して1883年下半期には360,000円としたが、松方デフレ期の不況で伸び悩み1886年12月には180,000円に減額した。このため当行は先述の藤井らを株主に加え1889年頃からの好況期に業績の拡大に転じた。 1882年(明治15年)の日本銀行条例および日本銀行開業にともなって日銀に紙幣(銀行券)発行の権限を集約する動きが進むと、1886年5月には国立銀行条例が再度改正され、すべての国立銀行に対し設立免許後20年を期限に、それまで発行した銀行紙幣の償却が義務づけられた。これに加え、1896年(明治29年)には国立銀行営業満期前特別処分法が制定され、国立銀行の普通銀行への転換が進行した。このため当行でも発行紙幣の償却期限を前に普通銀行への転換によって営業継続を図ることとなった。
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