石蕗(つわぶき)南地区の放火
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「鍵のない夢を見る」の記事における「石蕗(つわぶき)南地区の放火」の解説
『オール讀物』2010年4月号 公有物件の保険事業を担当する災害共済地方支部に勤める笙子は、不審火が出たという実家近くの消防団の詰所となっている神社に現場調査に向かった。そこには案の定、顔を合わせたくない消防団員・大林の姿もあったが、笙子は気づかないふりを続ける。お世辞にもいい男とは言い難いあんな男と1日とはいえプライベートで一緒に出かけてしまったことを他人に知られることは、綺麗でモテると今までもてはやされてきた笙子のプライドが許さなかった。しかし大林はわざとらしい演技でたった今気づいたかのように、親しげに声をかけてくる。 笙子(しょうこ) 短大卒業と共に財団法人町村公共相互共済地方支部に正職員として入社して16年目、36歳のOL。実家から通える短大に通っていたため一度も県外に出たことがなかったが、30過ぎても結婚していないため、両親から結婚をせかされ、それが嫌で家を出た。見た目はおとなしそうだが実際は気が強い。動物や子供が嫌い。礼儀知らずには絶対になりたくないという思いを持っているため、仕事上で関わる人間からの誘いを嫌でも断れない。 朋絵(ともえ) 去年から入職した笙子より10歳年下の後輩。臨時職員。身長と体重は笙子と全く同じだったこともあるが、小さな顔やきゅっと引き締まったウエストなど、体型はまるで違う。笙子には”ともちゃん”と呼ばれている。 大林(おおばやし) 石蕗町役場の職員で、現在は水道課に勤務している。38歳、独身。ほぼボランティアである地元の消防団に入っていて、団の中では1番年上。後輩達からは「バックドラフト」というあだ名で呼ばれている。薄くなった頭髪、分厚い唇、太っているわけでも極端に痩せているわけでもないが身体の肉がだらしなくたるんでいる体型など、お世辞にもいい男とはいえない。駅伝に出場実績のある横浜の私立大学卒。
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