石油開発の初期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 19:34 UTC 版)
「テキサス州の石油ブーム」の記事における「石油開発の初期」の解説
1850年代、エイブラハム・ゲスナーが石油から灯油を蒸留する処理工程を発明した。照明用燃料として石油に対する需要が世界中で大きくなった。世界の多くの地域で石油探査の動きが高まり、特にロシア帝国のバクーにあったノーベル兄弟石油会社(英語版)が19世紀末まで石油生産をリードした。 1859年、ペンシルベニア州のエドウィン・ドレイクが、地球の深層部から石油を掘削する技術を発明した。ドレイクの発明はアメリカ合衆国における石油産業を始めさせたものとされている。ペンシルベニア・オイルラッシュが起きた1861年に、ペンシルベニア州西部で国内初の石油精製所が操業を始めた。オハイオ州でジョン・D・ロックフェラーが設立したスタンダード石油が多州にわたるトラスト企業となり、国内の歴史が浅い石油産業を支配するようになった。 テキサス人はその地下に石油があることを昔から知っていたが、水の井戸を掘るためには邪魔になったので、利益よりも問題が生じると見ている場合が多かった。後に影響力ある石油事業家となった牧場主のW・T・ワゴナーは1902年に水の井戸を掘っていた石油を掘り当て、「水がほしかったのに石油に掘り当たってしまった。私は気狂いだよ、全くの気狂いだ。我々自身と我々の牛が飲む水が必要だったんだ。」と言ったと伝えられている。 多くの牧場主や農園主にとって石油は否定的な関係しかなかったが、南北戦争後のテキサス州で、石油が湧き出ると知られていた泉や、水の井戸を掘っているときに偶然見つけた石油で、灯油やその他石油からの派生品にたいする需要が、石油の将来性を促進することになった。テキサス州で最初のそこそこの油井はナカドーチェスに近い、オイルスプリングスの町付近で開発された。この油井は1866年に生産を開始した。テキサス州で最初の経済価値のある油田は1894年、コーシカナ近くで開発されたものだった。1898年、この油田に州内では最初の近代的製油所が建設された。コーシカナ油田の成功と、世界中の石油需要の増加により、州全体で探査が行われるようになった。
※この「石油開発の初期」の解説は、「テキサス州の石油ブーム」の解説の一部です。
「石油開発の初期」を含む「テキサス州の石油ブーム」の記事については、「テキサス州の石油ブーム」の概要を参照ください。
- 石油開発の初期のページへのリンク