直訴は死罪か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 03:08 UTC 版)
直訴はすべて原告が死罪と確定しているものと広く認識されているがこれは誤解である。直訴行為自体が処罰対象となったケースは少ない。領主や代官の非を訴えた場合であっても、これといった処罰はなく「正規の手続きに従うように」という口頭注意くらいであった。処罰されたケースでは『直訴の内容が不届きであった』あるいは『徒党を組んで騒動を起こし狼藉を働いた』などという直訴行為そのものを対象としない処罰理由がほとんどである。例えば天保11年の三方領知替えでは庄内藩の転封に反対する領民により多数の直訴が行われた。大名の転封という幕府の政策(大公儀御政道)に反対する直訴であるにもかかわらず直訴をした領民に対する処罰は無かった。徳治主義が標榜されていたため、民の声である直訴を拒絶することは不徳とみなされていたのである。しかし、明治以後の自由民権運動のなかで義民伝説が数多く伝えられたことから、直訴=死罪という誤解が浸透していったものと考えられる。
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