直流電動機直接駆動方式水密辷戸の採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 15:47 UTC 版)
「十和田丸 (初代)」の記事における「直流電動機直接駆動方式水密辷戸の採用」の解説
紫雲丸事件時、第三宇高丸と衝突した紫雲丸は、主発電機停止による交流電源喪失で交流電動機直接駆動方式の水密辷戸の閉鎖ができなかったことから、引揚げ後の復旧工事で、その駆動方式を、蓄電池からの直流で駆動する直流電動機直接駆動方式に改造されていた。本船もこれにならい、ボイラー室、発電機室、機械室、ポンプ室、車軸室間の各水密隔壁の船艙レベルに設置された第1~4水密辷戸、および第二甲板レベルで車軸室と操舵機室間をつなぐ水密通路の車軸室側入口の第5水密辷戸の計5ヵ所に直流電動機直接駆動方式水密辷戸が設置された。これらは端艇甲板煙突下の甲板室左舷の電池室からの直流で、車両甲板左舷の船員浴室後端(第1、2辷戸用)、食堂従業員室後方(第3、4辷戸用)、食糧庫後端(第5辷戸用)の3ヵ所の水密辷戸動力室内の、各辷戸専用の3馬力直流複巻電動機を駆動することで開閉された。その動力伝達方法は、電動機の回転出力が、まずウォームギアで減速され、電動機駆動時のみ接続状態となるマグネットクラッチ、駆動軸回転方向が変わったときしばらく空転して起動時の過負荷を防止する過負荷防止継手を経て動力室外へ出た後、この回転運動を伝えるロッドは、自在継手や傘歯車で方向を変えながら船内を進み、水密辷戸に至って、辷戸表面の上下に水平方向に取り付けられた2条のラックギアを駆動して辷戸を開閉するものであった。これらは、操舵室からの電動一括開閉、各動力室からの電動開閉と手動開閉、辷戸現場での電動開閉と手動開閉が可能であった。
※この「直流電動機直接駆動方式水密辷戸の採用」の解説は、「十和田丸 (初代)」の解説の一部です。
「直流電動機直接駆動方式水密辷戸の採用」を含む「十和田丸 (初代)」の記事については、「十和田丸 (初代)」の概要を参照ください。
- 直流電動機直接駆動方式水密辷戸の採用のページへのリンク