直接的模倣音の音響的特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/11 15:08 UTC 版)
「直接的模倣音」の記事における「直接的模倣音の音響的特徴」の解説
ケント (Ray D. Kent) とリード (Charles Read (1996) ) は、音声の考察にあたっては、音声の物理的特徴を把握する音響学的分野、発せられた声がどのように聴かれているかに関する知覚的分野、その音声がどのような発音器官に由来するかといった生理学的分野の三つの分野を同時に考慮する必要性を述べている。したがって、直接的模倣音を客観的に捉えるためには、まず物理的特徴を把握することが必要である。河本(2009)は、多岐多様な音の中から比較的模倣しやすいハイハット・シンバル、タクシー・ホーン、グラスに注がれる液体の泡の音、ギターのトレモロ音をピックアップし、直接的模倣音と実際の音とを、音声の波形を捉えることができる「オシロスコープ」、一定時間内の音声の音圧変化を把握することができる「波形スコープ」、音声の周波数分布をグラフ化する「FFT(Fast Fourier Transform)メーター」、音声の周波数やエネルギーの分布を帯状に可視化する「スペクトラムアナライザ」の機能を持つソフトウエアを用いて分析した。その結果、直接的模倣音と実際の音との間の類似性を把握するための要素として、 ノイズ音 母音性の喪失 特有の奏法 という三つの構成要素があると指摘した。直接的模倣音は、これら①~③の構成要素が組み合わさり、①+③:Ⅰ型、②+③:Ⅱ型、①+②:Ⅲ型、①+②+③:Ⅳ型の四つの類型が存在する。例えば、ハイハット・シンバルはⅠ型、タクシー・ホーンやトレモロ音はⅡ型、グラスに注がれる液体の泡の音はⅢ型に分類される。
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