目標と方向性の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 14:27 UTC 版)
初期のレッスンは、AKB48に「憧れる」のではなく初めから「勝つ」ことを意識して行った特に厳しいもので、指導した牧野アンナは「短期間で仕上げる為に力技で行くしかなかった」「今考えるとかわいそうだった」とも回想している。最初のレッスンで牧野は「同じことをやるならAKBの方が良いに決まってる」「AKBに無いものって何なんだ」「アイドルなのに汗だくになってる姿が、唯一SKEがAKBに勝てる道じゃないか」という話をしたという。このストイックなレッスンの様子は、当時のメンバー(卒業生含む)のインタビューを交えて、シンプルでありながら感情に訴えかけるシーンとして、2015年のドキュメンタリー映画に収められている。このレッスンを原点とする「目の前の事に常に全力で挑む、勝ちに行く」考え方は、特に初期のメンバーを中心に浸透しているという。 一方、AKB48に勝つ、AKB48を超えるといった当初の目標意識がそのまま継続されているわけではない。後に多数の姉妹グループが誕生し交流していく中で、一緒に48グループを盛り上げつつも頭一つ抜けた存在になりたい、という気持ちに変わってきているという。 5年間にわたりシングルのセンターを担うなどグループの先頭に立っている松井珠理奈と松井玲奈について、秋元康は2012年のインタビューで、「二人の違うキャラクターが、グループの中の良い意味での"光と影"になっている」とも語っている。一方、2014年冬のシングルで行われた初のセンター交代や2015年春の1期生2人らの卒業などから、「次世代の育成」が進められているとの批評も見受けられる。メンバー自身としても、様々な変化を契機として、自分よりも周りのメンバーを支え育てていくことを意識しているメンバーもいるという。 またSKE48は2015年春までに通算60人以上が卒業しているが、2015年のドキュメンタリー映画では、卒業したメンバーの現在の姿を見せることで、SKE48の活動が各々の人生の一部分であったという相対的な視点が与えられている。ライターの香月孝史によればそれは「若い時期の試行錯誤の一環」であり、ファンが未練を持つのは道理であるものの、アイドルの活動をどこまで続けるかを決めるのは、「責任を持ってその人生を背負い続ける彼女たち自身でしかありえない」と指摘している。そして、グループが成長していく過程の一瞬一瞬の尊さと同時に、在籍者・卒業生各々の人生の尊さが描かれ、SKE48での活動から繋がった人生を歩んでくれていることは実はファンにとって嬉しいことなんだと語られている。
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