発覚の遅れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 15:10 UTC 版)
20時ごろにバスが転落しても、その事実はただちには発覚しなかった。 磯崎―長浜線において、もし運転士が運休の判断を下した場合には、大洲営業所に届けることとなっていた。しかし28日夜に運休の連絡はなく、大洲営業所では長浜行きのバスは通常通り運行したものと理解していた。終業報告のような仕組みも存在しなかったため、大洲営業所では28日夜の時点では当該バスの長浜未着を把握できなかった。 また、一日の運行を終えると、運転士は大洲営業所に運行日報を届けることとなっていたが、夜間の磯崎発長浜行きの日報は、長浜に到着後同地の車庫に置き、翌日一番の長浜発大洲行きのバスが届ける段取りとなっていた。29日朝、大洲行きの一番バスが出発する際、車庫には前夜のバスの日報は置かれていなかったため、運転士は、前夜の磯崎からのバスは運休したものととらえた。 しかしこの一番バスが大洲営業所に到着すると、磯崎発長浜行のバスは欠行せず運行されたと認識していた大洲営業所と、当該バスは運休したものと認識していた一番バスの運転士との間で、矛盾が露呈した。運行されたはずの当該バスが長浜に到着したことを確認できず、ここで初めて有事が疑われた。しかしこの時点では警察へ通報せず、大洲営業所長が現場へと急行し、確認してから届け出ることとしたため、通報が更に遅れることとなった。 大洲営業所からの通報があった時点ではすでに、乗客の内の1名であった出海中学校の教諭が消息不明という通報によって警察が捜査を始めていた。教諭は勤務先の出海中学校から長浜の自宅への帰路において当該バスに乗車していた。翌朝出海中学校では、同教諭が出勤しないことを不審に思い、校長が大洲警察署櫛生巡査駐在所に連絡、巡査がバス経路の各停留所を調べたところ、出海町停留所を出発したことは確認できたが、次の櫛生停留所に到着したことを確認できず、出海町から櫛生の間でバスが行方をくらませたことが判明した。
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