病気喧伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:21 UTC 版)
「病気喧伝」も参照 精神障害の増加の一端には、製薬会社による病気喧伝がもたらしてきたものがある。日本におけるうつ病、注意欠陥多動性障害、社会不安障害、双極性障害の診断の乱発もそうである。2012年にも、アメリカ国立精神衛生研究所(NIMH)所長であるトーマス・インセルは、医薬品の売上とは反対に、うつ病、統合失調症、双極性障害といった一般的な障害を含む重篤な精神障害を有する人々の障害の罹患率や死亡率が減少していないことを報告している。 2013年には『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版(DSM-IV)の編集委員長であるアレン・フランセスは、精神障害の数が急増しているというよりは、粗雑な診断が増え、安易に薬が処方されているため、流行の診断名による診断と過剰診断を減らすことが必要だとしている。 製薬会社が新しい薬を販売することによって、病気喧伝がなされ、発売以前の2倍にも診断が下されるようになるという現象が各国にて起きている。軽症のうつ病を説明する「心の風邪」というキャッチコピーは、2000年ごろから日本で特に抗うつ薬パキシルの市場を開拓するために、グラクソ・スミスクラインによる強力なマーケティングによって用いられた。薬の売り上げは2000年からの8年で10倍となり、協力したアメリカ人医師は、節操などなく下衆な娼婦だった、と明かしている。後に、軽症のうつ病に対する抗うつ薬の効果に疑問が呈され、安易な薬物療法は避けるよう推奨された。
※この「病気喧伝」の解説は、「メンタルヘルス」の解説の一部です。
「病気喧伝」を含む「メンタルヘルス」の記事については、「メンタルヘルス」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から病気喧伝を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 病気喧伝のページへのリンク