疾患における重要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:52 UTC 版)
「カゼインキナーゼ1」の記事における「疾患における重要性」の解説
CK1δとCK1εはヒトの疾患における重要性が示されており、異常な概日リズムの治療にCK1の薬理的阻害が有効である可能性を示す研究結果が得られている。PER2のCK1εリン酸化部位の変異や多様性は家族性睡眠相前進症候群(FASPS)と関係している。同様に、PER3のリン酸化部位の長さの多様性は「朝型」「夜型」と相関しており、長いアレルは早起きの人、短いアレルは朝が遅い人と関係している。さらに、睡眠相後退症候群の患者の75%は短いアレルをホモ接合で持つ。 CK1の変異は他の哺乳類でも概日行動を変化させることが示されている。1988年にはゴールデンハムスターでフリーラン周期が22時間となるtau変異体が得られ、これは哺乳類で最初に発見された概日周期変異体であった。2000年には、tau変異がCK1εにマッピングされた。tau変異体はその発見以降、概日周期の生物学における貴重な研究ツールとして利用されている。CK1ɛtauにみられるT178C変異はPER(CRYではない)の分解の増加を引き起こす機能獲得型変異である。その結果、PERによって調節されているフィードバックループが破壊され、分子的振動が加速される。ホモ接合型変異体(CK1ε(tau/tau))はin vivo(行動による測定)とin vitro(視交叉上核の発火率の測定)の双方で周期の大きな短縮を示す。CK1δ遺伝子の変異と家族性片頭痛や睡眠相の前進との関係も同定されており、マウス片頭痛モデルでも再現されている。
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