異方性媒質とは? わかりやすく解説

異方性媒質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 06:23 UTC 版)

異方性媒質(いほうせいばいしつ)とは、結晶分子イオンの空間分布が方向に依存する物質のことである。




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異方性媒質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/12 10:14 UTC 版)

結晶光学」の記事における「異方性媒質」の解説

結晶などの異方性媒質では、分極場Pは必ず光の電場Eと平行ではない。これは物理的には、結晶物理的構造関連する特定の好む方向を持つ電場により媒質で起こる双極子考えることができる。これは次のように書くことができる。 P = ε 0 χ E . {\displaystyle \mathbf {P} =\varepsilon _{0}{\boldsymbol {\chi }}\mathbf {E} .} ここで χ は前のようなではなくランク2のテンソル電気感受性テンソルである。3次元成分では ( P x P y P z ) = ε 0 ( χ x x χ x y χ x z χ y x χ y y χ y z χ z x χ z y χ z z ) ( E x E y E z ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}P_{x}\\P_{y}\\P_{z}\end{pmatrix}}=\varepsilon _{0}{\begin{pmatrix}\chi _{xx}&\chi _{xy}&\chi _{xz}\\\chi _{yx}&\chi _{yy}&\chi _{yz}\\\chi _{zx}&\chi _{zy}&\chi _{zz}\end{pmatrix}}{\begin{pmatrix}E_{x}\\E_{y}\\E_{z}\end{pmatrix}}} もしくは総和規約用いて P i = ε 0 ∑ j ∈ { x , y , z } χ i j E j . {\displaystyle P_{i}=\varepsilon _{0}\sum _{j\in \{x,y,z\}}\chi _{ij}E_{j}\quad .} と書かれる。χはテンソルなのでPは必ずしもEと共線(colinear)ではない。 非磁性透明な材料では、χij = χji、つまりχテンソルは実対称である。よって、スペクトル定理従い座標軸適切なセット選びχxx, χyy, χzz以外のテンソルの全成分を0にすることにより、テンソル対角化することができる。これにより次の関係が与えられるP x = ε 0 χ x x E x {\displaystyle P_{x}=\varepsilon _{0}\chi _{xx}E_{x}} P y = ε 0 χ y y E y {\displaystyle P_{y}=\varepsilon _{0}\chi _{yy}E_{y}} P z = ε 0 χ z z E z {\displaystyle P_{z}=\varepsilon _{0}\chi _{zz}E_{z}} この場合方向x, y, zは媒質主軸として知られている。χテンソルの値が実数である(屈折率全ての方向実数である場合対応する場合、これらの軸は直交することに留意。 よってDとEはテンソルにより関連付けられる。 D = ε 0 E + P = ε 0 E + ε 0 χ E = ε 0 ( I + χ ) E = ε 0 ε E . {\displaystyle \mathbf {D} =\varepsilon _{0}\mathbf {E} +\mathbf {P} =\varepsilon _{0}\mathbf {E} +\varepsilon _{0}{\boldsymbol {\chi }}\mathbf {E} =\varepsilon _{0}(I+{\boldsymbol {\chi }})\mathbf {E} =\varepsilon _{0}{\boldsymbol {\varepsilon }}\mathbf {E} .} ここでεは比誘電率テンソルもしくは誘電率テンソルとして知られるのである結果として媒質屈折率テンソルである必要があるx軸に平行になるように偏光されたz主軸沿って伝搬する光波考える。波は感受性χxx誘電率εxxをうける。よって屈折率次のうになるn x x = ( 1 + χ x x ) 1 / 2 = ( ε x x ) 1 / 2 . {\displaystyle n_{xx}=(1+\chi _{xx})^{1/2}=(\varepsilon _{xx})^{1/2}.} y方向偏光した波の場合 n y y = ( 1 + χ y y ) 1 / 2 = ( ε y y ) 1 / 2 . {\displaystyle n_{yy}=(1+\chi _{yy})^{1/2}=(\varepsilon _{yy})^{1/2}.} よって、これらの波は2つ異な屈折率感じ異な速度で進む。この現象複屈折として知られる現象であり、方解石石英など普通の結晶で起こる。 χxx = χyy ≠ χzzであるとき、この結晶一軸性である(結晶光学軸参照)。χxx ≠ χyy かつ χxx ≠ χzz であるとき、結晶二軸性である。一軸結晶2つ屈折率、x,y方向偏光した光に対する「通常屈折率(no)とz方向偏光した「異常」屈折率(ne)を示す。一軸結晶は、ne > noのとき「正」であり、ne < no のとき「負」である。軸に対してある角度偏光された光は、異な偏光成分に対して異な位相速度を受け、1つ屈折率では説明することができない多く場合これは屈折率楕円体(index ellipsoid)として表される

※この「異方性媒質」の解説は、「結晶光学」の解説の一部です。
「異方性媒質」を含む「結晶光学」の記事については、「結晶光学」の概要を参照ください。

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