用途の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 19:52 UTC 版)
第二次世界大戦では主にナチス・ドイツやアメリカ合衆国、フランスや大日本帝国で使用されていた。大戦時のイギリス連邦軍やソ連赤軍では、レンドリース法によりアメリカから提供されたM5/M9ハーフトラックが使用された。 抵抗の大きな全装軌車は、装輪式と同じ速度を出すために2倍以上の馬力が必要であり、変速機もその馬力に耐える必要があるため、製造コストが高い、整備コストも高い、信頼性が低い、稼働率も低い、運転や整備に必要な技術を習得するために時間もかかるなどの問題点を抱えていた。これらの課題は現代においては技術の進歩により解決されているが、当時の技術水準では未解決だった。 特にエンジン技術が未発達で現在よりも馬力の劣るエンジンしか無かった当時では、速度と経済性を高める為には両方の長所を半分ずつ持った中間的な半装軌車式が採用されることになった。また、当時の全装軌式車輌は左右の履帯を二本のレバーで操作する方式のため操縦が難しく(21世紀の現在でもバックホウ、油圧ショベル、ブルドーザーは未だにこの方式)、普通のステアリングで容易に操縦できる点も大きな利点であった。 しかし、半装軌式で完全に戦車に追随できる兵員輸送車を作ることもやはり限界があった。技術の進歩と共に全装軌車両の速度や信頼性と装輪車両の不整地走破能力の双方が向上し、半装軌式のメリットが消失していったこともあって、大戦後は殆どが全装軌式か全装輪式となった。
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