用語の学問的使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 13:40 UTC 版)
民間伝承、神話学、人類学において獣人とは人間と他の動物の特徴を合わせ持つ人物を指す。その最もよく知られているのが人狼(lycanthropy; ギリシャ語:lycos狼、人・狼変身の専門用語)である。正確な意味でのlycanthropyは人狼のみを指すにもかかわらず、他の動物へ姿が変わる事例にもしばしば使われる。 人々が動物の姿に変わったり(獣化(じゅうか・theriomorphosis))、超自然的に他の動物の特徴を所有することを信じる人々はよく人狼症(ライカンスロウピィ)と呼ばれる。この分類は精神病の一つの形だが、多くの文化人類学者がこれはシャーマン文化の強い信仰の例であると指摘している。信仰が通常の生活に支障が出ない限り、社会的な特色から姿を変えられると言っている者達は病気ではないと精神医学の専門家は考えている。これは見知らぬ他の文化と精神病の境目は不明瞭であり議論の的となっている。ただ神託を告げる際に一時的に人格が変わったように見えるシャーマンは畏れられもしたが神聖視されることもあり、原始社会においては重要な役割を果たしていることも少なくなかった。この傾向は時代と共に廃れ適応の際逸脱と見なされるようになっていく。「二分心」なども参照のこと。
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