生息域との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:45 UTC 版)
生物発光の能力を持つのは、海棲生物が中心である。特に深海生物の大多数は何らかの方法で発光し、その目的も多岐にわたることが知られている。調査に基づく概算では、500m以深に住む魚類の90%、十脚類(エビ・カニ類)の40-80%(水深500-1,000m)、オキアミ類の99%(表層-1,000m)、カイアシ類の20-30%(表層-1,000m)が生物発光すると見積もられている(全て種数ではなく個体数での割合)。ほとんどの場合、深海生物による発光色は青か緑の波長であり、この波長は海水をよく通過する。しかし、一部のワニトカゲギス目魚類は赤色や赤外線波長の光を発するし、多毛類の Tomopteris 属は黄色の生物発光を行う。 陸上生物では生物発光はそれほど一般的ではなく、比較的限られた種類にとどまる。陸上で生物発光をする生き物としてよく知られているものには、ホタルやツチボタル(ヒカリキノコバエ)、フェンゴデス科(甲虫の一種)の仲間などがある。他の昆虫(幼虫を含む)、環形動物、また菌類の一部にも生物発光を行う能力があることがわかっており、発光色には様々な種類のものをみることができる。 それに対して、淡水には発光生物はほとんど知られていない。日本のホタルの幼虫が淡水産なのもごく例外的なものである。深海のように深い部分を持つ湖からも、発光するものは知られていない。また、深海と同様に、暗黒環境である洞穴生物にも、発光するものはほとんどいない。
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