王陽明の登場とは? わかりやすく解説

王陽明の登場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 13:48 UTC 版)

陽明学」の記事における「王陽明の登場」の解説

朱子学体制側思想となったが、それ故体制擁護としての作用肥大化し、かつての道徳主義側面失われていったその道倫理再生させようとしたのが、王陽明である。朱子学では「理」(万物法則であり、根拠規範。「然る所以の故であり、且つ当に然るべき則」)はあらゆるものにあるとし(「一木一草みな理あり」)、そうした理について読書など学問することにより理解深めた後に「性」(個々内在する理、五常五倫)へと至ることができるとした。いわば心の外にある理によって、心の内なる理を補完せんとしたのである当初王陽明朱子学の徒であったが、「一木一草」の理に迫らんとして挫折し、ついに朱子学から離れることになる。その際王陽明朱子学根本原理となっている「格物致知解釈に以下のような疑義呈した。まず天下事事物物理に格(いた)るというが、どうすれば可能なのかという方法論への疑義。そして朱子は外の理によって内なる理を補完するというが、内なる理は完全であってそもそも外の理を必要としないではないか、という根本原理への疑義である。こうした疑義から出発し思索する中で陸象山の学へと立ち帰り、それを精緻発展させたのが陽明学である。ただ陽明学宋代陸象山の学を継承したものではあるが、その継承直接的なものではない。 なお陽明学登場は、朱子学の時ほど劇的ではなかった。朱子学政治学存在論理・気説)、注釈学(『四書集注』等)、倫理学(「性即理」説)、方法論(「居敬窮理」説)などを全て包括する総合的な哲学大系であって朱子偉大さは、その体系内において極めて整合性取れた論理展開した点にある。しかし陽明学そのうち倫理学及び方法論的側面革新であったに過ぎない無論儒教に於いて倫理学側面は最も重要だったといえるが、大転換起こったわけではなく、その点は注意要する

※この「王陽明の登場」の解説は、「陽明学」の解説の一部です。
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