独立教会・自治教会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 22:37 UTC 版)
各独立教会・各自治教会には統括する首座主教が居るが、それぞれの教会組織・首座主教に歴史的な尊敬の度合いの違いはあっても権威の優劣は存在しない。カトリック教会におけるローマ教皇をトップとするような組織構成をとらず、各地域の独立教会・自治教会が、正教信仰と使徒時代以来の教会の姿を分かち合って緩やかに結びつき、正教会としての一致を保っている。 各教会が区別されながら一つに一致しているのは、「区別と一致」である至聖三者(三位一体の神)の姿が教会に映し出されているものと理解される。こうした教会の現状は、歴史上、教会共同体が拡大するにつれ、母体となる母教会から子教会が生まれ出るというプロセスを経て形成された。「母教会」「子教会」「姉妹教会」という表現が使われる。 独立正教会や自治正教会の中には、正教会に複数ある総主教庁からの承認が一部のみにとどまっているものがある。たとえばエストニア使徒正教会やウクライナ正教会は、コンスタンティノープル総主教庁からは自治正教会/独立正教会として承認されているが、モスクワ総主教庁からは承認を得られていない。逆に日本正教会はモスクワ総主教庁からは自治正教会として承認されているが、コンスタンティノープル総主教庁からは自治正教会としては承認を得られていない。ただしこれらの場合、論点になるのは当該教会の地位についてであって、お互いに正教会としては承認し合い、交流も行われている(例:日本正教会の他正教会との交流)。 また20世紀末から、アンティオキア総主教庁、およびロシア正教会に、自主管理教会という教会組織の種別が設けられている。 これらのほかに、マケドニア正教会、モンテネグロ正教会など、上記の正教会の組織からは承認されていない教会組織がある。これらの教会との交流をどのようにするかについては、それぞれの正教会組織において個別に判断されており、全世界の正教会に共通する統一見解は無い。 詳細は「正教会の教会機構一覧」を参照 表 話 編 歴 全世界の正教会(独立正教会・自治正教会・自主管理教会) 独立正教会 古代四総主教庁コンスタンティノープル総主教庁 アレクサンドリア総主教庁 アンティオキア総主教庁 エルサレム総主教庁 ロシア正教会 セルビア正教会 ルーマニア正教会 ブルガリア正教会 グルジア正教会 キプロス正教会 ギリシャ正教会 ポーランド正教会 アルバニア正教会 チェコ・スロバキア正教会 アメリカ正教会a ウクライナ正教会 (2018年設立)a 自治正教会シナイ山正教会 フィンランド正教会 日本正教会a 中国正教会a エストニア使徒正教会a 自主管理教会ラトビア正教会 モルドヴァ正教会 エストニア正教会 ウクライナ正教会 (モスクワ総主教庁系)b 在外ロシア正教会 アンティオキア正教会北米大主教区 a.^ 独立正教会位もしくは自治正教会位につき、一部からのみの承認。b.^ モスクワ総主教庁下における「自治正教会の広い権を有する自主管理教会」参考:
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