独立志向の高まり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/09 07:43 UTC 版)
「カタルーニャの歴史」の記事における「独立志向の高まり」の解説
2003年には23年ぶりにCiUが政権党から外れ、州首相となったPSCのパスクアル・マラガイ(英語版)は自治憲章の改正に着手。2006年には民族としての独立性、カタルーニャ語をスペイン語に優先して公用語として使用すること、財政・司法・域内行政など自治権の拡大を謳った新たな2006年カタルーニャ自治憲章(スペイン語版)が制定された。 しかし、スペインの二大政党のひとつで右派の国民党はこの自治憲章が違憲であるとしてスペイン憲法裁判所に提訴し、2010年6月28日には民族性や独立性の部分が違憲であるとする判決が下された。また、スペインは財政力の弱い地域を支援する税制を採用しており、財政力が強いカタルーニャ州は特に再配分比率が低い地域であるため、カタルーニャ州住民はソブリン危機に端を発するスペイン経済危機の状況下で不満を募らせていた。カタルーニャ州内の税金の90%は国庫に納められてから再配分されるが、州内から拠出された額よりも州内に投資された額が少ない「財政赤字」が問題となっている。カタルーニャ州は毎年約8%の「財政赤字」を抱えており、これは国際的にも異例なほど高い数字であるとされる。バルセロナ大学経済学部長のアリゼンダ・パルジーアはカタルーニャの状況を「スウェーデン並みの税金を払いながら、スペイン平均以下の社会サービス」と語り、そのような状況にもかかわらずエゴイスティックであると批判されることに抗議している。 カタルーニャ・ナショナリズムの機運が高まったのは、自治憲章の違憲判決と税制の不公平感という2点が理由である。独立支持派がはっきりと増加するのは、この2010年半ばのことである。1990年代のカタルーニャ独立支持派は3割程度だったが、2010年代には5割を超えるほどになった。2014年10月に世論研究センター(CEO)が「ここ数年で独立主義者になった」カタルーニャ住民に対して理由を問うた調査では、第1位が「中央政府のカタルーニャに対する言動」(42%)であり、第2位の「経済問題/税の配分問題」(13.4%)を大きく引き離している。
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