熊息子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 00:46 UTC 版)
世界の類例についても「熊のジャン」系統という呼称が使われることもあるが、西洋圏を離れるとジャンに相当する名前はつかない。また、「熊のジャン」とは粗筋が異なれば、類話とは言えなくなる。 より広義的な世界例は、「熊息子(英語版)」系統とも呼称される。熊息子は「動物の血を引く子ども」の一種で、彼らは力が強く知恵もあり、時には動物の言葉を解す等で英雄になる。こういった、熊の血を引くために怪力を持つ男が冒険する話はヨーロッパ中に広がっている。 幅広い地域に分布しているため「異なったヴァージョンや異文が殆ど無限に存在する」が、基本的には人間の女性と熊の間に生まれた男の子の冒険を描いたおとぎ話である。 熊は北方[要曖昧さ回避]でも最も体が大きく力強い動物とされ、民話の世界に反映されている。 「熊息子(英語版)」型という表現は、AT分類上でいえばあまり特定的でなく、今では301型も650型(「強者ジャン」型、強力のハンス(ドイツ語版)型)も含まれるとされている。この背景には、「熊息子」型という名称が純粋な民話学のみでなく、比較文学論でも使われていたという事実がある。すなわち、「熊息子」型(独: Bährensohnmärchen)という名称は、フリードリヒ・パンツァー(ドイツ語版)が古英語詩『ベーオウルフ』研究(1910年)が収集した説話群のことを指すからである また「熊息子」型と呼ばれる話型は、じっさいは「熊息子」のモチーフ( B635.1 )が欠如する例も少なくない。「強力(ごうりき)のハンス」(ドイツ語版)(650A型の代表例)も熊との関係はない。
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