無声歯茎側面接近音 (むせい しけい そくめん せっきんおん、英 : Voiceless alveolar lateral approximant )は、多くの音声言語 で使用される子音 の一種である。無声歯 、歯茎 、および後部歯茎 側面 接近音 を表わす国際音声記号 は、⟨l̥ ⟩および⟨l̊ ⟩であり、有声歯茎側面接近音 のための文字と文字の上部あるいは下部の無声音 を示す付加記号 が組み合わされている。等価なX-SAMPA 記号はl_0 である。
無声側面接近音はシナ・チベット語族 では一般的であるが、その他ではあまり見られない。
特徴
無声歯茎側面接近音の特徴:
調音方法 は接近 であり、これは調音の場所で声道を狭くすることによって生み出されるが、乱気流 を発生させるには十分ではないことを意味する。
[l̥] には4つの具体的な変種が存在する。
歯 —。これは、舌尖または舌端のいずれかを使って上の歯の位置で調音されることを意味する(それぞれ舌尖- および舌端- と呼ばれる)。
歯歯茎 —。これは、舌端を使って歯槽堤 (歯茎)の位置で、舌尖を使って上の歯の裏側の位置で調音されることを意味する。
歯茎 —。これは、舌尖または舌端のいずれかを使って歯槽堤の位置で調音されることを意味する(それぞれ舌尖- および舌端- と呼ばれる)。
後部歯茎 —。これは、舌尖または舌端のいずれかを使って歯槽堤の裏側の位置で調音されることを意味する(それぞれ舌尖- および舌端- と呼ばれる)。
発声 は無声であり、これは声帯の振動を伴わずに生み出されることを意味する。いくつかの言語では、声帯が積極的に分離しているため、常に無声である。他の言語では声帯が緩んでいるため、隣接する音の影響により有声化することがある。
口音 であり、これは空気が口だけから抜けることができることを意味する。
側面音 であり、これは舌の真ん中ではなく、舌の側面を越えて気流を導くことによって生み出されることを意味する。
気流機構 は肺臓 的であり、これは、ほとんどの音と同様に、肺 と横隔膜 だけで空気を押すことによって調音されることを意味する。
存在
歯または歯歯茎
言語
単語
IPA
意味
注記
ハンティ語
Surgut方言
ԓ ӓпәт
[ˈl̥æpət]
'七'
口蓋化した/l̥ʲ/ と対立する。他方言における/l/ または/t/ に対応する。
Kazym方言
ԓ апәт
[ˈl̥ɑpət]
モクシャ語
калх не
[ˈkal̥nʲæ]
'これらの魚'
平・無声音、平・有声音、口蓋化無声音、口蓋化有声音と対立する。
ノルウェー語
トロンハイム方言[1]
sæl t
[s̪al̪̊t̪]
'売った、売られた'
舌端歯歯茎音; /l/ の異音。摩擦音[ɬ̪] とも説明される[2] 。
キルディン・サーミ語
пэӆ тэ
[ˈpel̥te]
'怖がる'
3次元対立: 有声-無声、平-口蓋化、短-長。合計8つの [l]-様の音素がある。
トルコ語 [3]
yol
[ˈjo̞ɫ̪̊]
'道'
軟口蓋化舌端歯歯茎音[3] 。語末および子音の前の位置における/ɫ/ の現実態として頻繁に現われる[4] 。
歯茎
後部歯茎
脚注
参考文献
Asu, Eva Liina; Teras, Pire (2009), “Estonian”, Journal of the International Phonetic Association 39 (3): 367–372, doi :10.1017/s002510030999017x
Basbøll, Hans (2005), The Phonology of Danish , ISBN 0-203-97876-5
Chirkova, Katia; Chen, Yiya (2013), “Xumi, Part 1: Lower Xumi, the Variety of the Lower and Middle Reaches of the Shuiluo River” , Journal of the International Phonetic Association 43 (3): 363–379, doi :10.1017/S0025100313000157 , http://www.katia-chirkova.info/resources/publications/published/KC2013Xumi1.pdf [リンク切れ ]
Chirkova, Katia; Chen, Yiya; Kocjančič Antolík, Tanja (2013), “Xumi, Part 2: Upper Xumi, the Variety of the Upper Reaches of the Shuiluo River” , Journal of the International Phonetic Association 43 (3): 381–396, doi :10.1017/S0025100313000169 , http://www.katia-chirkova.info/resources/publications/published/KC2013Xumi2.pdf [リンク切れ ]
Danyenko, Andrii; Vakulenko, Serhii (1995), Ukrainian , Lincom Europa, ISBN 9783929075083 , https://books.google.com/books/about/Ukrainian.html?id=WUsbAQAAIAAJ&redir_esc=y
Kristoffersen, Gjert (2000), The Phonology of Norwegian , Oxford University Press, ISBN 978-0-19-823765-5
Vanvik, Arne (1979), Norsk fonetikk , Oslo: Universitetet i Oslo, ISBN 82-990584-0-6
Zimmer, Karl; Orgun, Orhan (1999), “Turkish” , Handbook of the International Phonetic Association: A guide to the use of the International Phonetic Alphabet , Cambridge: Cambridge University Press, pp. 154–158, ISBN 0-521-65236-7 , http://www.uta.edu/faculty/cmfitz/swnal/projects/CoLang/courses/Transcription/rosettaproject_tur_phon-2.pdf
関連項目
IPAのトピック
IPA 特別なトピック
筆記体
ケース異形
使われなくなった、非標準的な記号
文字一覧
符号化
ASCII符号化
TIPA
ユニコードにおける音声記号
IPA点字
記号が二つ並んでいるものは、左が非円唇 、右が円唇 。