混合給油方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/30 15:07 UTC 版)
古典的な2ストローク機関では、エンジンの潤滑油をあらかじめ燃料に混合してから供給する「混合給油」となっており、オートバイや自動車のエンジンにも、この方式が当然のように採用されていた。これは、オイルポンプやオイルフィルターをはじめとする潤滑系を省略でき、生産コストを抑えるメリットはあるが、当然、潤滑能力は燃料の量に左右されるため、低速時には潤滑過多による点火プラグの汚損、長いエンジンブレーキでは潤滑切れとなり焼きつきを引き起こすなど、不完全な方式である。また、混合燃料が入手できない場合、燃料補給の際に潤滑油の計量が必要となり、油まみれの計量器を携行する必要があるなど、取り扱いが煩雑でもある。 燃料と共に燃焼する潤滑油は「使い捨て」であり、そのまま排気となって大気放出されるため、回収・再利用が不可能な上、環境性能も低い。 1961年(昭和36年)、ダイハツ・ハイゼットが「世界最初のオイルマチックエンジン」と称して燃料と別系統で潤滑油を必要量給油する分離給油方式の2ストロークエンジンを搭載したが、当時のダイハツ工業の社長小石雄治は、小型自動車工業会の会長を務めていた立場もあって、その技術を業界の求めに応じて開放した。 以後メーカー各社は競って同様の装置を製品化し、日本では急速に分離給油化と装置の改良が進み、回転数、スロットル開度、負荷の程度により混合比が自動可変し、クランクシャフトまわりのベアリングにも、オイルを圧送する方式が主流となった
※この「混合給油方式」の解説は、「混合気」の解説の一部です。
「混合給油方式」を含む「混合気」の記事については、「混合気」の概要を参照ください。
- 混合給油方式のページへのリンク