深山頬白とは? わかりやすく解説

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みやま‐ほおじろ〔‐ほほじろ〕【深山頰白】

読み方:みやまほおじろ

ホオジロ科全長16センチくらい。全体褐色で、雄は頭が黒く眉・のどが黄色冠羽がある。東アジア分布日本では主に冬鳥


深山頬白

読み方:ミヤマホオジロ(miyamahoojiro)

ホオジロ科渡り鳥

学名 Emberiza elegans


深山頬白

読み方:ミヤマホオジロ(miyamahoojiro)

ホオジロ科日本には冬鳥として九州地方多く飛来する

季節

分類 動物


ミヤマホオジロ

(深山頬白 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 05:45 UTC 版)

ミヤマホオジロ
ミヤマホオジロ(オス) Emberiza elegans
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: ホオジロ科 Emberizidae
: ホオジロ属 Emberiza
: ミヤマホオジロ E. elegans
学名
Emberiza elegans Temminck, 1836
和名
ミヤマホオジロ
英名
Yellow-throated bunting[2]
亜種
  • E. e. elegans Temminck, 1836
  • E. e. elegantula Swinhoe, 1870
  • (E. e. ticehursti) Sushkin, 1926
  • 詳細は本文参照

ミヤマホオジロ(深山頬白、Emberiza elegans)は、スズメ目ホオジロ科ホオジロ属に分類される鳥類の一

分布

ユーラシア大陸東部の大韓民国中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国日本ロシア南東部に分布する[3]

夏季に中華人民共和国や朝鮮半島、ウスリーなどで繁殖し、冬季には中華人民共和国南部や日本、台湾へ南下し越冬する[4]。日本では冬季に基亜種が主に本州中部以西、四国九州に飛来(冬鳥)する。東日本での越冬数は少ない[3]広島県(西中国山地)や長崎県対馬[注釈 1])では繁殖例がある[3][5]。和名のミヤマは山奥ではなく「遠隔地」を指し、以前は朝鮮半島での繁殖は確認されていたものの日本での繁殖が確認されていなかった事に由来する。

形態

全長が約16 cm[4][6]翼開長が約21 cm[3]。雌雄ともに頭頂の羽毛が伸長(冠羽[注釈 2]する[3][5]。尾羽の色彩は褐色で、外側の2枚ずつに白い斑紋が入る。種小名elagansは「優雅な」の意。オスは冠羽がより発達する。腹部は白い羽毛で覆われる。眼上部にある眉状の斑紋(眉斑)や喉は黄色で、嘴の基部から眼を通り後頭部へ続く黒い筋状の斑紋(過眼線)が入る。胸部に三角形の黒い斑紋が入る。メスは喉から胸部は淡褐色、腹部は汚白色の羽毛で覆われる。眉斑は黄褐色。キマユホオジロに似ているが、オスはキマユホオジロが眉線のみが黄色に対して、眉線と喉部が黄色[7]

生態

平地から丘陵にかけての開けた森林や林縁に生息する。広い草地や農耕地の中央部など開けた場所に出ることはほとんどない[4]公園でも見られる[6]。冬季には小規模な群れを形成し生活し、他の同属の種(カシラダカやホオジロなど)と混群することもある[3][6]。危険を感じると地表から飛翔し樹上へ逃げる。食性は植物食傾向の強い雑食で、種子昆虫クモ類などを食べる。地表で採食を行う。繁殖形態は卵生。草の根元にコケや獣毛を組み合わせた皿状の巣を作り、ロシアでは5-6月に4-5個の卵を産む。繁殖期にオスは「チー チュチュリ チュルル チィチュリ チチ」と早口でさえずる[4]。飛翔は小さな波形[6]。地鳴きの声は「チッチッ」[3]。「和鳥四品」[注釈 3]のひとつであった[8]

分類

以下の亜種に分類されている[9][10]

  • Emberiza elegans elegans Temminck, 1836 - ミヤマホオジロ、東シベリア、中国南東部、朝鮮半島、日本に分布する[9]
  • Emberiza elegans elegantula Swinhoe, 1870 - 中国中部に分布する[9]
  • (Emberiza elegans ticehursti) Sushkin , 1926[10]

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)により、2004年からレッドリスト軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]

日本では以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[11]

脚注

注釈

  1. ^ 対馬では留鳥
  2. ^ 同属のカシラダカにも冠羽があるが、羽根の色などから識別できる。
  3. ^ 「和鳥四品」とは、オオルリキビタキコマドリ、ミヤマホオジロ。

出典

  1. ^ a b IUCN 2012. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2012.2. (Emberiza elegans)” (英語). IUCN. 2013年3月3日閲覧。
  2. ^ Emberiza elegans Temminck, 1836” (英語). ITIS. 2013年3月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g ひと目でわかる野鳥 (2010)、210頁
  4. ^ a b c d 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、541頁
  5. ^ a b 名前がわかる野鳥大図鑑 (2010)、221頁
  6. ^ a b c d 野山の鳥 (2000)、120-121頁
  7. ^ 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、540頁
  8. ^ 山階鳥類研究所 (2009年3月). “オオルリ識別マニュアル” (PDF). 環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室. pp. 1. 2013年3月4日閲覧。
  9. ^ a b c IOC World Bird List 3.3 (Buntings to Bush Tanagers)” (英語). 国際鳥類学会議(IOC). 2013年3月4日閲覧。
  10. ^ a b Yellow-throated Bunting (Emberiza elegans) Temminck, 1836” (英語). バードライフ・インターナショナル. 2013年3月4日閲覧。
  11. ^ 日本のレッドデータ検索システム「ミヤマホオジロ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年3月3日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  12. ^ 埼玉県レッドデータブック2008動物編” (PDF). 埼玉県. pp. 106 (2008年). 2013年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月4日閲覧。

参考文献

  • 高木清和『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313 
  • 叶内拓哉、安部直哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』(第2版)山と溪谷社、2006年10月1日。 ISBN 4635070077 
  • 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年2月20日。 ISBN 978-4415305325 
  • 真木広造『名前がわかる野鳥大図鑑』永岡書店、2012年4月10日。 ISBN 978-4522430866 

関連項目

外部リンク



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