流行、利用法、サイクリングクラブの設立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 01:33 UTC 版)
「ペニー・ファージング」の記事における「流行、利用法、サイクリングクラブの設立」の解説
(概説において、速度重視の設計であること、および欠点を説明したが)欠点も多いペニー・ファージングではあったが、個人が独力で高速を出せる新しい乗り物であったので、イギリスの中流階級の若い男性が飛びつき、サイクリングは危険を伴うスリリングなスポーツとして愛好された。 レース このペニー・ファージング型自転車を使ってイギリス、フランス、アメリカなどでサイクリングや様々なレースが催された。この自転車はレースなどのスポーツ用途には最適だった。 集団サイクリング 愛好家同士が集まり、各地で様々なサイクリングクラブが設立された。イギリスのサイクリングクラブはこの時代に起源を持つものが多い。サイクリングクラブでは同一の派手なユニフォームを来て、厳格なクラブ会則を守り、集団でサイクリングを嗜むようになったが、サイクリングクラブ設立には愛好家同士の親睦を促すという理由もあったが、それより もっと現実的な理由もあった。集団でサイクリングを行えば、転倒の危険性のある路面の凹凸に全員で気を配ることもできたし、派手な格好で集団走行すれば、邪魔者扱いして進行方向を横切ってくる馬車などに対しても、自分たちを目立たせ、注意を喚起することもでき、事故も抑制できたのである。ペニー・ファージングを安全に乗ろうと思うなら、サイクリングクラブをつくり集団で乗るほうが良かったのである。 1878年には、「サイクリスト・ツーリング・クラブ」(Cyclists' Touring Club)が発足、イギリス各地でペニー・ファージングでは危険すぎる下り坂には警告看板を表示するなど愛好家同士での情報交換、ルート調査など地道な活動が行われ、スポーツとしての自転車文化を盛り立てた(このクラブは今も存続しており、2016年にCycling UKに改称)。 自転車旅 ペニー・ファージングを用いて長距離の自転車旅行も行うことができた。自転車による世界一周旅行をはじめて成功させたのもペニー・ファージングであり、トーマス・スティーブンスによって1884年から1887年にかけておこなわれた(日本にも訪れている)。
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