活動停止とTSR社による資産買収
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「シミュレーションズ・パブリケイションズ」の記事における「活動停止とTSR社による資産買収」の解説
1979年、長年同社のマーケティング部門を支えてきたハワード・バラッシュが退社、翌年、経営悪化と内紛によりダニガンが去り、社長の座は最終的にS&T創始者の、クリス・ワグナーが引き継いだ。 1980年、SPIは、ウォーゲーム以外のユーザーを開拓するべく、米国でヒットしていたテレビドラマ「ダラス」の版権をロリマー・テレビジョンより獲得し、そのテーブルトークロールプレイイングゲームを製作したが、完成したゲームは失敗で、SPIの財務改善に貢献する事も、新しい市場を開拓することも出来なかった。 SPIは、1970年代のウォーゲームマーケット拡大に対応するため、ベンチャーキャピタルからの投資を受けていたが、それは売り上げだけが伸び利益の伸びが見込めない場合は返済する必要があった。1982年、運転資金が枯渇したSPIは、救済買収を他社に求め始めた。最初に同業のアバロンヒル社が名乗りを上げたものの、買収は成立しなかった。これは、インフレによるコスト増によりSPI社の利益が目減りし現金損失がさらに増加していたためで、アバロンヒル社は代案として、SPIの持つ5つのゲームタイトルの版権を得ることで限定的な支援を行ったものの、SPIの経営は好転しなかった。 SPIは、ロールプレイイングゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を出版していたTSR社より、22万5千ドルから40万ドルの融資を得た。この融資は、SPIの資産を担保にしており、これによって得た現金でSPIは従業員への未払い賃金と、ベンチャーキャピタルへの返済をおこなうことができたが、TSR社は、その直後2週間もたたないうちにSPIに融資の返済を求め、既に現金も入金の当ても枯渇していたSPIは、すべての版権と在庫ストックをTSRに譲渡し、事実上倒産した。TSR社は、もともとSPIを買収したがっていたのだが、同時にSPIの持つ負債を負うことを嫌がり、結果として1983年に、SPIの持つ全資産を得ることに成功したものの、それはSPIが持っていた多くの顧客を失うことを意味していた
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