つがる‐ぬり【津軽塗】
津軽塗
![]() |
津軽塗 |
![]() |
つがるぬり |
![]() |
漆器 |
![]() |
家具、座卓、茶器、食器、文箱、盆類、硯箱、箸、花器 |
![]() |
津軽塗の始まりは、江戸時代初期に遡ります。津軽藩の藩主にめしかかえられた、漆器作りの職人が始めたと伝えられています。 津軽塗が産業として形を整えたのは、明治時代初頭で、江戸時代に積み重ねられた伝統技術を土台にして発展しました。その後も多くの工人たちが創意工夫を凝らし、技術を磨き、今日の津軽塗を築き上げました。 |
![]() |
青森県 |
![]() |
昭和50年5月10日 |
![]() |
津軽塗は、青森県弘前を中心に作られてきた、わが国最北端の伝統漆器です。温もりと潤いにあふれた、手作りならではの味わいがあります。小さな文様が着物の小紋の柄のように粋な感じのする「ななこ塗」、艶消しの黒地が渋くモダンな感じのする「紋紗塗(もんしゃぬり)」等、様々な種類の技法が特色です。 |
津軽漆器
(津軽塗 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 03:17 UTC 版)
津軽漆器(つがるしっき)は、津軽地方で生産される伝統的漆器[1]。1873年(明治6年)以降、津軽塗(つがるぬり)と呼称される[1]。唐塗(からぬり)とも称される[2]。1975年、経済産業大臣指定伝統的工芸品に選ばれ、2017年には国の重要無形文化財に指定された。
歴史
江戸時代中期、弘前藩第四代藩主津軽信政が津軽の産業を育成するため、全国から多くの職人・技術者を弘前に招き、若狭国出身の塗師池田源兵衛を召し抱えたのが始まりとされる[1]。1676年 (延宝4年)頃には、既に弘前城内の一角に塗師の作業場があった[1]。弘前藩庁日記、または御国日記[3]の正徳5年(1715年)1月7日には「唐塗り」が、翌年7月12日には「霜降塗」・「利久唐塗」・「松葉いろいろ」・「唐塗」・「色紙塗」・「紋虫喰塗」の名前が挙げられており、独自の塗り方が多く考え出されたことがうかがえる。
弘前藩で発達した漆器は様々な調度品に用いられたが、1871年(明治4年)の廃藩置県以後は、津軽塗への藩による保護政策が失われ、津軽漆器は一時衰退する[1]。だが、藩に代わって県が助成を始めたこと、士族や商人による漆器の製造所や組合組織が結成されたことで、津軽の漆器産業は息を吹き返し、1873年(明治6年)に開催されたウィーン万国博覧会には、青森県が「津軽塗」の名前で漆器を出展して賞を受けている[1]。これ以降「津軽塗」という名前が一般的となる[1]。その後、大正時代まで津軽塗産業は大衆化を推し進めるが、1929年(昭和4年)の世界恐慌や第二次大戦中の経済統制によって、大きな打撃を受ける[1]。
1975年(昭和50年)経済産業大臣指定伝統工芸品に選定される[1]。
2017年、重要無形文化財に指定される[4]。
特徴
津軽塗の土台となる木地には青森県特産のヒバが使用される[2]。研磨と塗りを繰り返して下地がしっかりしたところで、津軽塗独特の「シカケ」と「サイシキ」が施され仕上げられる[2]。四十数回の工程と2カ月余の日数を費やして作られる馬鹿丁寧さのため、「津軽の馬鹿塗り」との異名を持つ[2]。
唐塗・七々子塗・錦塗・紋紗塗の4種類の技法を基本として[5]、仕掛け漆(絞漆)や種漆を用いる各種の研出変り塗が特徴である[4]。また、複数の技法を併用したり文様を描き加えたりすることによって、華やかな色彩や質感を活かした無数の表現が可能となる[4]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i “津軽塗について|津軽塗|青森県漆器協同組合連合会”. www.tsugarunuri.org. 2020年11月2日閲覧。
- ^ a b c d “伝統工芸の詳細 - 弘前市”. www.city.hirosaki.aomori.jp. 2020年11月2日閲覧。
- ^ おくににっき、弘前藩の官職が書いた日誌。御国日記は他藩にも存在した
- ^ a b c “祝 本県初・重要無形文化財「津軽塗」 - 青森県庁ホームページ”. www.pref.aomori.lg.jp. 2020年11月2日閲覧。
- ^ “津軽塗の塗模様|津軽塗|青森県漆器協同組合連合会”. www.tsugarunuri.org. 2020年11月2日閲覧。
参考文献
![]() |
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
|
- 長谷川成一著、「弘前藩」、吉川弘文館、2004年、ISBN 4-642-06662-4
- 中嶋繁雄著、「大名の日本地図」2003年、文藝春秋
関連項目
外部リンク
「津軽塗」の例文・使い方・用例・文例
津軽塗と同じ種類の言葉
- 津軽塗のページへのリンク