法科学の進歩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 22:19 UTC 版)
最初のボディファームがテネシーに開設以来、法人類学者ウィリアム・バスは裁判において検察官の求めに応じ、犠牲者の死亡時刻を推定するために必要な、死体の腐敗に関わる疑問に答えてきた。この疑問に対する研究をさらに深めるべく、テネシーのボディファームにおいてバスのチームは他の科学捜査における疑問(例えば被害者が死亡した時の天候、水の存在や着衣の有無などが腐敗の過程に及ぼす影響など)にまで研究範囲を広げた。これらの疑問の解決ができれば、死亡状況の可能性を絞り込むのに役立つためであった。 微生物生態学者のJennifer DeBruynは、2015年からテネシーのボディファームで、環境が死体に与える影響と、死体が環境に与える影響の双方の研究を行っている。死体が腐敗しているときは様々な酵素が浸出するが、そのときの人体および土壌の内において微生物の環境のもたらす影響と重要性に着目し、DeBruynのチームは腐敗のサイクルと速度を一定に律していると思われるバクテリア種を、バクテロイデス属及びラクトバシラス属という2種類に絞りこんだ。DeBryunはこの分野の研究により、気候、水、個人の代謝の違い、死体をあさる動物などの外的要因に乱されてもなお、死亡状況をより絞り込める可能性があると期待している。
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