ほうていがい‐もくてきぜい〔ハフテイグワイ‐〕【法定外目的税】
法定外目的税(ほうていがいもくてきぜい)
地方税法によらない法定外課税である。2000年4月施行の地方分権一括法で新設された。地方自治体が、特定目的に使途を限って独自に課税する。
地方自治体が法定外目的税を導入するには、自治省と事前協議をして許可を受けたうえ、地方議会にかけて議決を採り、条例を制定する。はっきりした目的のために課税する方法は、住民からの理解も得やすいと見られる。3割自治と批判される自治体の財政自主性を高める効果もあり、自治体の実情に応じ税制構築が可能である。
三重県の「産業廃棄物埋立て税」、鳥取県の「処理場建設促進税」などのように環境保護を目的として法定外目的税を検討する地方自治体が広がっている。これらは産業廃棄物を出す企業などに課税し、得られた税収をゴミ処理場建設などの環境対策に向けようというものである。
富士山のある山梨県では、有料道路「富士スバルライン」の通行税を検討しているということである。道路通行者から税を徴収し、それを財源として環境保護を行う。
(2000.06.18更新)
法定外目的税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 07:02 UTC 版)
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法定外目的税 (ほうていがいもくてきぜい) は、地方税の一つ。地方税法に定めのある以外の税目の地方税で、目的税であるものを言う。
地方税法上の規定
地方自治体が、法定外目的税を新設、変更しようとする場合は、あらかじめ総務大臣に協議し、その同意を得なければならないとされる(地方税法731条2項)。但し、
- 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること
- 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること
- 国の経済施策に照らして適当でないこと
のいずれかに該当する場合を除き、総務大臣は同意を与えなければならないこととされている(地方税法733条)。
なお、法定外税ではあっても、申告納付の方法・延滞金・加算金・徴税吏員による調査・滞納処分等に関しては地方税法に定めがあり、法定外税を定める条例においてもこの範囲を超えることはできないと解される。
法定外目的税の例
環境税
- 「乗鞍環境保全税」: 岐阜県(2003年施行)
- 「産業廃棄物税」
- 2020年4月現在、27都道府県で採用されている。都道府県が単体で課税するのではなく、複数の都道府県が共同で導入している場合が多い。1トンあたり1000円の課税をしているところがほとんどである。
- 「環境未来税」: 福岡県北九州市(2003年施行)
- 産業廃棄物税の一つ。
- 「開発事業等緑化負担税」:大阪府箕面市(2016年)
- 「環境協力税」:沖縄県伊是名村・伊平屋村・渡嘉敷村・座間味村
原子力政策の税
その他の分野の税
- 「遊漁税」: 山梨県南都留郡富士河口湖町(2001年施行)
- 日本で最初の法定外目的税。
- 「宿泊税」: 東京都(2002年施行)、大阪府(2017年施行)、京都市(2018年施行)、金沢市(2019年施行)、北海道倶知安町(2019年施行)、福岡県(2020年施行)、福岡市(2020年施行)、北九州市(2020年施行)、北海道ニセコ町(2024年施行予定)
廃止された法定外目的税
- 「一般廃棄物埋立税」: 岐阜県多治見市(2001年施行、2006年廃止)
- 「すぎなみ環境目的税」: 東京都杉並区(2002年制定(施行せず)、2008年廃止)
- 「山砂利採取税」: 京都府城陽市(2011年施行、2016年失効。2011年に法定外普通税から変更された。)
脚注
- ^ 玄海町以外の自治体は法定外普通税として関連する税金を導入している。
関連文献・記事
関連項目
外部リンク
法定外目的税と同じ種類の言葉
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