民族の英雄として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 09:09 UTC 版)
「ヴァーツラフ1世 (ボヘミア公)」の記事における「民族の英雄として」の解説
ヴァーツラフ1世は自分の建てた聖ヴィート大聖堂に葬られるが、早くから聖者として人々の信仰を集めるようになった。彼を讃える詩や歌が古くから語り継がれており、そのなかでヴァーツラフ1世は真のキリスト者にして理想の騎士とされる。ヴァーツラフ1世は国と民族を守った英雄としても語られるようになった。カレル1世(神聖ローマ皇帝カール4世)の時、ボヘミアの王冠を新しく作って聖ヴァーツラフの王冠(ヴェンツェル王冠)とし、自らをヴァーツラフの後継者と人々に印象付けようとした。 ヴァーツラフ1世の伝説は中世から伝わる。それによれば、ヴァーツラフ1世は民族の危機のときには蘇って、眠っている彼の騎士たちを呼び起こして彼らとともに外敵を打ち破って民族を守るという。19世紀、民族主義が盛んになって以降、ヴァーツラフ1世の伝説を題材とした小説や詩が大量に作られた。 近代に入ると、ヴァーツラフ1世はよりいっそう民族主義の英雄として取り上げられ、ヴァーツラフ広場に像が立てられた。この広場は以後チェコ近代史に欠かせない存在となった。チェコ全土にヴァーツラフ1世や彼にまつわる像、絵画は数知れずある。また政治家の演説、文芸の題材にも盛んに登場しており、とくに独立時や、逆に併合時にはヴァーツラフ1世の名が連呼されたといっていい。現在チェコでは命日である9月28日は祝日となっている。
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