毒・化学物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:12 UTC 版)
毒やある種の化学物質は少量で人体に機能異常を引き起こす。生体へ効果を与えるメカニズムはそれぞれに異なり様々である。効果は嘔吐や、昏睡・麻痺程度から、炎症、腐食、死と幅広く、効果の発現時間や持続時間もまた様々である。ちなみに毒も化学物質の一種であるため、化学兵器と毒を区別する明確な基準はない。 主に毒はとげや刃に塗布し傷口から体内へ注入される。先史時代から矢毒として狩猟に使用されており、軍隊の矢じりや暗器に塗布され効果を発揮した。アルカロイド系毒物のトリカブトやキニーネ、クラーレが有名である。糞尿は傷口を化膿させる目的で毒として使用されることがある。 化学兵器は、効果が大規模で広範囲にわたるものや、科学的に成分を抽出したり合成したものである。史上最古の化学兵器は、紀元前429年に使用された石炭や硫黄を燃やし発生させた亜硫酸ガスとされている。従来の毒と異なり吸引や皮膚から体内へ侵入し効果を発揮し、ゴムを浸食する性質をもつものさえ存在する。必ずしもガス(気体)とは限らず、液体や固体を散布・飛散させて用いる化学兵器も存在する。 致死性はごく低いものの催涙弾、催涙スプレーなども化学兵器の一種といえる。 鉛には酵素の動きを阻害する作用があり、時として鉛中毒を引き起こす毒物として作用する。狩猟に使用した散弾による土壌汚染と、弾を飲み込んだ動物が死亡する事例が発生している。またそれらが食物連鎖によりヒトに蓄積される可能性があるため規制が議論されている。
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