母集団と標本とは? わかりやすく解説

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母集団と標本


 統計的なデータの持つ情報は,どのような場合においても,それが取り出され集団に関して解釈されなければならない。われわれが知識情報得たい考えている対象全体母集団 といい,母集団から抽出され一部分標本 と呼ぶ。
母集団と標本
1.母集団と標本の関係

 全体調査無意味であるとき,または不可能なときや,時間費用制限されているときには 標本調査 をすることにより母集団の姿を推定することになる。
 標本母集団のほんの一部分にすぎないから,標本から得られる情報もとづいて,それが抽出され母集団全体についての性質・構造法則性推測しようとすると,常に不確実性つきまとうことになる。この不確実性制御することが統計学主題一つである。
標本抽出法
 標本通して母集団の姿を正確にとらえるためには,標本母集団代表している必要がある。そのために 無作為抽出法 により標本を選ぶ必要がある単純無作為抽出法 というのはそのための一つ方法であり,くじ引き類する方法標本抽出する
標本誤差
 標本調査は,母集団全体調べるのでのはなく,その一部分だけを調べのであるから,全部調べる際には生じ得ない性質誤差介入してくる。標本調査におけるこの種の誤差標本誤差 または抽出誤差という。標本誤差には二つ種類がある。偏り変動 がこれである。
 母平均 μ,母分散 σ2母集団から大きさ n の確率標本をとるとき,標本平均値 母集団と標本毎回変わりうる。これが変動である。しかし,標本平均値平均値は μ に,分散は σ2/n になることがわかっている。n を大きくすれば,標本平均値は母平均のまわりの狭い範囲存在することがわかる。これに対して不適切方法標本抽出行った場合には母平均値と全く異なった標本平均値得られることがある。そして,そのような場合には n を大きくしても母平均値近づくではなく偏った値の近辺集中するだけである。これが,偏りである。アンケート調査を行う対象者無作為標本抽出法によって抽出した場合であっても実際にアンケート答えてくれた対象者データには偏り存在する可能性がある。
母集団と標本
図 2.変動偏り

 なお,統計調査には標本誤差の他に,個々調査単位観察正確に行われないために生ず誤りがある。これを 非標本誤差 という。非標本誤差標本調査場合にも悉皆調査場合にもある。しかし,調査対象数の大き悉皆調査場合には非標本誤差大きくなりがちである。また,標本誤差統計学的に計算可能であるが,非標本誤差大きさ評価することは不可能である。




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