歴史・突然変異体・クローン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 15:16 UTC 版)
「ピノ・ノワール」の記事における「歴史・突然変異体・クローン」の解説
ピノ・ノワールが野生種のブドウ (Vitis sylvestris) から1世代か2世代しか離れていない、きわめて歴史の古い品種であることは、ほぼ間違いない。しかしながら、その起源は明らかになっていない。コルメラコルメラ(英語版)の著作『農事論』(De re rustica) のなかには、紀元1世紀のブルゴーニュにおけるピノ・ノワールと似たブドウ品種にかんする記述がある。 とはいえフィロキセラ禍以前の時代には、ブドウは北はベルギーまで自生していたので、ピノは (両性花をつけるようになった) 野生種を直接栽培ブドウにしたことを物語っていると考えられる。 ピノの名称が用いられる以前、この品種はモリヨン (Morillon) 、ノワリアン (Noirien) 、オーヴェルナ (Auvernat) などの旧称で呼ばれていた (同時にさまざまな綴りが存在した) 。モリヨンの名称が使用された最古の記録は1283年の法律文書だった。ノワリアンの名称もほぼ同時期に出現している。オーヴェルナの名称は前二者より少し遅れた1302年の法令に登場する。 現代の綴りであるピノ (Pinot) の名称が使われた最古の用例は1375年の記録で、ブルゴーニュ公フィリップ2世が現ベルギーのブルージュに「ルビー色のピノを6キュー1ポワンソン (約2,500リットル) 」送ったと記されている。また、1394年にシャルル6世によって出された告訴棄却の文書には、収穫の際にピノ・ノワールは他品種と混ざらないよう残しておくという命令に従わず、ブドウ畑の所有者に殴打された少年のことが記されている (少年は死亡) 。これ以外にも同時代の多くの記録から、中世においてピノ・ノワールがすでに最高品質のブドウ品種だと見なされていたことが窺える。
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