標準的治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/07/11 02:58 UTC 版)
現時点で、真に標準と言えるものはなく、まだまだ臨床試験で治療法を模索している段階である。COGの研究(ACNS 0121)では、「組織型」と手術での「摘出度」で治療をチャート化している。GTRできた場合、テント上上衣腫は経過観察のみ、テント上退形成性上衣腫とテント下上衣腫または退形成性上衣腫はconformal radiotherapy(局所に54~59.4Gy)を行う。GTRできなかった場合は、組織型、発生部位に関わらず化学療法を行う。その化学療法の内容はビンクリスチン、カルボプラチン、シクロフォスファミド(V/CPA/CBDCA)による第1コースと、ビンクリスチン、カルボプラチン、経口エトポシド(V/CBDCA/経口Etoposide)からなる第2コースである。化学療法終了後にセカンドルック手術するかどうかを検討し、セカンドルック手術をしてもしなくても、Conformal Radiotherapyを行う。 日本小児脳腫瘍コンソーシアムでは、3歳以上の患児は、GTRできたもののうち、テント上の場合、上衣腫は経過観察のみ、退形成性上衣腫は局所に54Gyを照射したのち経過観察する。テント下の場合は上衣腫、退形成性上衣腫にかかわらず3コースの化学療法(シクロフォスファミド/シスプラチン/エトポシド)を行い、54Gyを局所照射。GTRできなかった場合は、原発部位や病理組織にかかわらず、まず1コースの化学療法(同じ内容)を行い、その効果を判定。残存腫瘍に10%以上の縮小があれば同様のレジメンを4週毎に4コース追加し、最後に54Gyを局所照射する。第1コースのレジメンによる縮小が10%未満の場合は、一旦初期治療を終了し経過観察とする。3歳未満の場合でも、3歳以上の方法に準じるが、局所照射は3歳に達するまで待機することを原則とする。なお髄膜播種や脊髄転移がある3歳以上の上衣腫は「小児髄芽腫/PNETに対する多剤併用化学療法と減量放射線療法の第2相試験」に、3歳未満の場合は 「乳幼児髄芽腫/PNETに対する多剤併用化学療法および大量化学療法の第2相試験」の対象となる。
※この「標準的治療」の解説は、「上衣腫」の解説の一部です。
「標準的治療」を含む「上衣腫」の記事については、「上衣腫」の概要を参照ください。
- 標準的治療のページへのリンク